ペコリンゴ

ペッピーノの百歩のペコリンゴのレビュー・感想・評価

ペッピーノの百歩(2000年製作の映画)
3.9
記録。
糾弾の青い影。

暗殺された実在の活動家ジュゼッペ・インパスタート(=ペッピーノ)を題材にした作品。

舞台となるのはシチリアの小さな街チニシ。マフィアの家系に生まれたペッピーノ少年はその聡明さから将来を有望視されていた。しかしマフィアのドンである叔父が暗殺され、その犯人が新たなボスとなるという出来事がペッピーノのその後の道を変えた。成長した彼は反マフィア運動を展開する活動家となり、影響力を高めていく。

常人には到底出来ないことをした人間はそれだけでドラマになる。

ペッピーノの活動の舞台はマフィアに支配された街。彼の家から、叔父を暗殺したマフィアのボスであるターノ家までは100歩しか離れていない。警察や司法も当てにならない世界で声を上げる事がどれ程危険なことか想像に難くない。何を危険に晒しても信念を貫き通した男の生き様は一見の価値があるはずだ。

ジャニス・ジョプリンやプロコル・ハルム等、楽曲の使い方も印象的。

これは良作だと思います。