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ブラックボックス:音声分析捜査のzogliのレビュー・感想・評価

2.5
シャツの下にクルーネックのTシャツ着込んじゃってるし、あのグレー地に白チェックのワイシャツの眠たさといい、とことんnerdでgeekなピエールニネ新鮮でおもしろかった
けど、フリが長ぇな!

音声分析官の映画だけど、デンマーク映画のギルティみたいにワンシチュエーション映画ではない
真相究明に行き着くまでに物理的アプローチ=改ざんされていないあのナカミを手に入れるまでの謎のアドベンチャーを必要とするってのがなんか垢抜けない感じはしたけど、でも主人公を決してヒーローにしない終わり方とか、あそこで小舟とか出てきちゃうのがもう他国作品では考えられない展開で独特

ウルフズコール もだけど、音フェチ男が主役の映画を世に送り出してくるフランス映画業界、興味深い

能力発揮で真相究明→誤分析・誤判断→ 妄想/精神異常疑いのミスリード→真相と観客を翻弄してくれはするんだけど、まぁ猪突猛進なオタクが自分の信念と正義感に従ってもがいてるのをひたすらながめる感じなので根気よく付き合わないといけなかったし、『優秀でも頑固なのはイクナイ』『上司や仕事や組織に妥協は必要』みたいなアドバイスが自分にえらい沁みた

イヤホンやヘッドホンの着脱でノイズキャンセル=音遮断の表現は古くはBDS2の耳栓を思い出させるし、近年だとサウンドオブメタルと同じアプローチだったけど、成程良く効いてた

上司ポロックの消息、ポロックがどうやってあのヒントを作ってファイルを更新したのか、ニネを追ってきた2人組の正体&最後車がハックされたのかどうかとかの個人的に知りたかったポイントが謎のままなのはちょっとだけ悔しい
けど お箸で何かを食べてるニネ、暗闇の中パンイチでラップトップに向かうニネ、上司の家に不法侵入するのにガラス割るのを一瞬躊躇うニネ…いろんなニネ堪能出来たので良し

BGMのシンフォニックなやつがなんだかずっとストラヴィンスキーみたいだなーと思って聴いてた

数十秒おきに咳してた客がいて迷惑この上なかったなー音が大事な作品なのに殊更台無しにされた感あるし、いやまだ感染に敏感な世の中なのに、ねぇ?
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