◆あらすじ◆
最新型旅客機の墜落事故が発生し、フランス航空事故調査局がブラックボックスの調査に当たるが、担当のポロックが失踪したことによりマチューが音声分析の担当となった。マチューは墜落事故の原因をテロによるものと説明するが、事故機の乗客が残した留守電の音声がブラック巣ボックスと一致しないことに気づき、事故の本当の原因が他にあることを察知するが...。
◆感想◆
フランス航空事故調査局の音声分析官のマチューが墜落事故の原因を追究していくストーリーとなっており、事故原因を探るために手段を選ばずにマチューが執念を燃やす姿が印象的な作品となっていました。それは音声分析のような静的なシーンもあればマチューがあらゆる場所に赴き隠された秘密に迫る動的なシーンもあって、しっかりと緩急がついていて最後まで退屈しない工夫がされていて、とても面白かったです。
主人公のマチュー・ヴァスール(ピエール・ニネ)は航空事故調査局の音声分析官として優れた能力を持つ一方、自分の意思を無理やりにでも通そうとする独善的な部分があって、観ていてマチューを信じて良いのか、半信半疑になりました。特に妻のノエミ(ルー・ドゥ・ラージュ)のパソコンから勝手に事故機の極秘データを盗んだときは少し呆れてしまいました。
ストーリー後半になると、マチューが前の担当のポロック(オリヴィエ・ラブルタン)を消息を追う展開になっていて、マチューが何者かから追われるシーンもあって緊迫感があってハラハラドキドキしました。マチューのやりすぎな感じがあった調査が少しずつ真実に近づいていくところもあって、観ている側の気持ちを作品の中に引っ張っていてくれました。
とても面白い作品でした。私自身はマチューに感情移入しなかったのですが、彼の行動がいろんな部分に波及する一方、事故の裏に深い闇があって一筋縄では行かないストーリーを堪能することができました。
鑑賞日:2024年8月18日
鑑賞方法:CS ムービープラス
(録画日:2023年9月13日)