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彼女が好きなものはのseckeyのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
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性的嗜好が少数派なひとは、十字架を背負って生きていると聞いたことがあるけど、そんな重くてしんどいものにしたのは誰だよっていう話だ。怒ってるぞ私は。
性の話はタブーになりがちだし、口に出すことで”ワンチャンいけそうじゃね?”とか”あ、私とは違う人だ〜”という反応をされがちだし、何より恥ずかしいから当然話す機会も少ない。性的嗜好が少数派のひとにとってその少ない機会で否定されたり拒絶されたなと感じてしまう度、コツコツと十字架が作られてしまう。
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ただの(と言ってしまうのが後に失礼極まりないと思うくらいだけど)よくある青春純愛物かな〜と軽く観たら引き込まれてしまった。勃つ好きと勃たない好き、あるよね。わかるよものすごく。ずっと苦しんできた人が周りに傷つけられて、結果さらに自分を傷つけることでようやく周りが真剣に考え出す、って何それ。ふざけんな。命と引き換えにディスカッションする場が生まれるなんて、かなり冷たい世の中だね。けどその冷たい世の中に私達は生きてるんだよね、って、あぁ〜〜余計哀しくなってきた。理解というか受け入れてもらえる人はこの人、という人だけでいい。その本当の意味を知った映画。
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人生どこに向かって泳いでいくかわからないけど、お日様の光が見たいから水面に浮かぶもヨシ、ちょっと考えごとしたいから海底で寝転んでもヨシ。どんな日があっても良いと思う。目標なんて後からついてくる。
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