劇場スルーしてしまい配信を首を長くして待っていました。
エストニア🇪🇪の実話です。
この作品はLGBTQ映画としてエストニアで初の一般劇場公開と配信を果たし、更に2023.3に同性婚法案が議決され、国を動かすまでになった大変に重要な作品です。
監督であり、共同脚本を仕上げたペーテル•レバネは自身もセクシャルマイノリティであり、かねてから同じ人々の自由と権利の平等に心血を注いでいたのが報われた証の力作です。
主人公のモデルは、無名俳優のセルゲイ•フェティソフ(1952-2017)の回顧録『ロマンについての物語』がベースであり、さらに監督がセルゲイ本人と出会ったことで、映画の結実を誓い邁進する原動力になったようです。大変残念なことに撮影開始前にセルゲイさんは亡くなられました。
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1970年後期、ソ連占領下にあったエストニアの空軍基地で兵役終了を迎えようとしていた二等兵のセルゲイはモスクワで役者になることを夢見ていた。そこに、パイロット将校のロマン大尉が配属されてくる。初めて顔を合わせた瞬間にビビッと走る2人は、趣味の写真をキッカケに愛を育んでいく。
しかし、同性愛は固く禁じられている時代、法を犯せば即刻厳罰、5年間強制収容所送りとなる。KGBに連絡が行きどうなるのかは理解出来るのです。それでも2人の純粋な愛は周りの目を盗み、海で戯れ、ロマンの部屋で泊まったり、初デートはストラヴィンスキー『火の鳥🐦🔥』(タイトル)のバレエの舞台。そりゃ燃え上がります。しかし、あらぬ噂が流れて、ロマンは上官からの執拗な監視に砕かれてしまい、セルゲイに「これまでもこれからも君とは何もなかった」と冷たく突き放してしまう。
一年後、セルゲイのいるモスクワの演劇学校に同僚で親友だった女性将校のルイーザが訪ねて来る。軍にいた時からロマンに夢中だったルイーザがロマンと結婚する報告だった...
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ジャケ写の美しいシーンは堪りません。
顔が見えるのがセルゲイ(トム•プライヤー)で線が細く幼く見えましたが筋肉が凄い。背中がロマン(オレグ•ザゴロドニー)で凛々しい完璧なハンサム。2人は絵になるのです。
ロマンが自己中のように感じられるシーンもありますが、それはロマンが残した手紙の内容で泣かされます。
当時のKGBの恐ろしさは上官の様子で伝わって来ます。
今でもプー◯ン政権の裏側は変わらないのでしょう、おそロシア。
オレグ•ザゴロドニーはウクライナ🇺🇦キーウ出身で、モデルから俳優をしていたがロシア侵攻の初期から軍服のデザインを手掛け製品にする活動をしている。現在はどうなっているのでしょうか?
映画が公開された途端、マイノリティ公表となったため本音と建前があり現実は2人ともに厳しそう。
ラストにセルゲイ本人の軍服姿の写真が出ます。穏やかそうな優しい顔付きの方でした。実話の重みを感じます。