フリーザ

ノーカントリーのフリーザのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
4.0
【コーエン兄弟連続鑑賞記録その12】

コーエン兄弟の作品の中でもトップクラスに完成度の高い作品。
名作だと思います。


とにかく絵力が凄い。冒頭のマジックアワーから夜の暗闇、後半の照りつける様な太陽と、空がめちゃくちゃ機能してる。
それに負けないくらい役者の顔も濃い。笑


サスペンスシーンでの緊張感やシリアスな空気の中での気の抜ける様なやり取り、意外なキャラクターがあっさり死んだり、見たい所を見せてくれなかったり、”普通の”映画を観ていれば観ている程違和感を覚える作品。
コミカルさはスイカにかける塩の様に丁度いい塩梅ですが、「スイカに塩なんていらない」って人にはノイズになるかも。


正直難解過ぎて話のテーマや深い部分はちっとも分からなかったので解説サイト等を見て分かった気になってますが、そういうのを抜きにしても常に何か面白いことが物凄くパワーのある映像で描かれているので問題なく楽しめました。


シガーはキャラ的に素晴らしいんですが、トミー・リー・ジョーンズのキャラが面白くない。
キャラクターの面白さとしてのパワーバランスがシガーに偏り過ぎてて、例えば『ファーゴ』はどのパートでも面白いんですが、今作は「なんかどうでもいいな」と思ってしまう場面も多かったです。

冒頭に書いたように名作だと思うし良い作品だと思うんですが、コーエン兄弟作品の中で特に好きかと言ったらそうでもないです。
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