映像を淡々と眺めているだけでもかなり満足。美しすぎる。コーエン兄弟の本気を感じました。
家畜用圧縮エアガン(？)で家畜を殺すが如くスパスパ仕事をするハビエル・バルデムの圧倒的カッコ良さ。あんな武器初めて見ましたよ。それも相まって想像を絶する他者への恐怖にゾクゾクするのです。あ〜ステキ。もちろん現実に出会ったら失禁不可避ですが。
『ファーゴ』に西部劇を足したような内容でしたが、こんなにも絶望感漂うとは。
イーストウッド作品とはまた違う深みがあるように思います。イーストウッドの他者はまだ心情理解できますから。
コーエン作品の他者は、人間感情を超越しているので、もはやエイリアンです。あんな奴を生み出す可能性を秘めたこの世界に、あんな武器がゴロゴロ転がっている事実。そりゃ保安官も辞職しますわ。しかも1番の大打撃をあいつに加えたのが弾丸などではなく、まさかの交通事故だったというのが皮肉的で面白いですね。保安官泣かせもいいところです。
死も生もしょせんは博打と同じなのでしょう。明日死んでもいいように、恥ずかしいものは処分する決意をいたしました。
