Arisa

ノーカントリーのArisaのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.9
⚠️ちょっとネタバレしてるので観てない方は気をつけてください⚠️


DVD手元にあったのに
なんで私今まで観てなかったんだーーーー!!


と後悔した。╭( ๐_๐)╮



私の定説
「冒頭10分以内に面白いと思った作品はほぼ100%当たり説」



めっちゃ発動!!



ハビエル・バルデム演じる殺し屋シガーが連行され通された部屋で
保安官に電話してる保安官補を後ろから手錠したまま殺害するシーンがあるんですが、
その殺害シーンを観た人達に

「あぁこいつはただの殺人者ではないな」

という刷り込みを与える。

カメラワークなどの見せ方の問題もあるが
もう既にシガーがどういう人間なのかを
このたった一つの殺害シーンで伝えてしまうのが上手いなと思った。


両腕を使って頭を殴るのでは、普通の人間。
そこから銃で撃つのも普通の人間。

面白くもなんともない。


多分その展開なら傑作とは呼ばれなかっただろう。

でも違う。
やばいヤツは手錠したまま首絞めちゃうんだよ。無表情で。
なんの恨みもない人間をただ気絶させるのではなく、殺してしまえるようなヤツだよと恐怖を与える。


これはバルデムの演技力もありましたが流石でした。



何をしでかすか分からない言いようのない怖さ。

サイコパスっていったらいいのかなぁ。

独自のルールに則ってる。そのルールの範疇で殺人を犯すか犯さないか決まる。


無表情。無感情。そしておかっぱ頭。笑


そして無駄に器用。


この人と対峙したらまず殺されるんだろうなって絶望感しか抱かない
そんな殺し屋シガーは密売に使われていたお金を奪い取ったジョシュ・ブローリン演じるモスを追い続けるんだけど


モスに視点を起き続けて感情移入させたところで

トミー・リー・ジョーンズ演じる保安官のベルに移行させる


というやり方。


これは完全に「サイコ」の手法と一緒ですね。


そうきたかぁって。


散々前半で簡単にも殺していき容赦ないのに
後半からまったくみせなくなるのも上手い。

視聴者への刷り込みが出来ているからなせる技で、靴裏を見ているシガーを映すことで
あの人は殺されたんだなと分かる。

靴に血が付いているか確認しているんだよね。


ストーリーというか、シガーの感想しかしてないけど
ほとんどずーっとドキドキした気持ちで観られたってのが大きかった。



ラストだけ少し納得がいかなかったというか課題を残された気がしたので少しマイナス。


この前に同じコーエン兄弟の「バートンフィンク」観たんです。
あれはどういう意味なの?
わかる方教えてくれません?
Arisa

Arisa