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ノーカントリーのkarmapoliceのレビュー・感想・評価

ノーカントリー(2007年製作の映画)
3.0
No Country for Old Men:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督、トミー・リー・ジョーンズ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン主演、2007年作品。原作はコーマック・マッカーシーの小説「血と暴力の国」。舞台は1980年のアメリカ合衆国テキサス州西部。

う~ん良くも悪くもコーエン兄弟らしい作品だった。ノーベル文学賞受賞作家のウィリアム・バドラー・イェイツの詩集から引用されたタイトルのNo Country for Old Menは「ここは老いたる者たちの国ではない」をトミー・リー・ジョーンズ演ずるエド・トム・ベル保安官のナレーションで、それとなく感じさせる幕引きはさすがなのだろう。

映像のムードも脚本も素晴らしい。派手なアクションではなく、質の高い緊張感の中、読めない次なる展開にドキドキハラハラさせられ続ける。追いつ追われつを同時に映すことはもちろん無く、細切れに交互に映すことさえない。セリフと展開でクールに盛り上げ惹きつけていく。上手い!!

ただあまり本編に関係のない人物をいともアッサリと残虐に殺す様を幾つか観せておいて、主要人物の殺されるシーンを一切観せない美学。どう観ても確信的な演出。嫌いだなぁ(苦笑)好きな人も居るだろうし、おそらく評論家の間では加点に繋がっているのだろうなぁとは思う今日この頃・・・。しかし賞を取り過ぎじゃないかな。

まあハビエル・バルデム演ずるアントン・シガーのキャラが抜群に良かったのと、あとはムードを楽しんだ感じだろうか(笑)
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