地中海に浮かぶイビザ島(夏のバカンスシーズン、ナイトライフで有名らしい)の伝説的ローカルDJのおじさんを追うドキュメンタリー。
日本育ちの台湾人映像作家、リリー・リナエさんが、この伝説のDJおじさん、ジョン・サ・トリンサさんに惚れ込み、私費とクラウドファンディングで作った作品。
僕はハウス・ミュージックやダンス・ミュージックファンでもないし、イビサのこともジョンさんのことも何も知らない。ただ、たまたま映画館の予告編で見たイビサの海があまりにも綺麗だったことと、この方のかける音楽や、ライフスタイルに懐の深い優しい癒しを感じて、観てみよう、と思った作品だ。
このDJジョン・サ・トリンサさんは陽気な仙人のような、いい感じにヌケたひと昔前の「ちょいワル」おじさん。とにかく何かにつけてガハハと笑い飛ばす。
美しい海と爽やかな音楽と粋で自由なおじさんの陽気なハーモニーに70分浸る、というのは悪くない。
が、思ったより語りが多く、もう少しカメラを引いて言葉でなく、絵を見せて欲しかったし、このおじさんの陽の部分の奥に隠れたもっと深いところに触れるような深掘りが無かったのが少々残念だった。