爆裂BOX

アンホーリー 忌まわしき聖地の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.6
聾啞の少女が聖母マリアの出現を体現し、突然耳が聞こえ話し始め病人を治し始めた。少女の奇跡を見ようと大勢の人々が詰めかける中、落ちぶれたジャーナリストは再起をかけ彼女を取材する。そんな中、次々と奇妙な出来事が起き初め…というストーリー。
ゲオ先行レンタルでリリースされているオカルトホラーです。AmazonprimeやU-NEXTでも配信されてるみたいですね。原作はイギリスの人気ホラー作家ジェームズ・ハーバートの「奇跡の聖堂」
冒頭、民衆に仮面を顔に打ち付けられ、吊るされて火あぶりになる魔女のPOVで始まる所は「血塗られた墓標」ちょっと彷彿しました。前半は聾唖の少女が聖母マリアの声を聴き、耳が聞こえ話せるようになり、歩けない少年を歩けるようにする奇跡を起こして皆の注目を浴びていく様子が描かれます。その中で奇妙な幻覚など不穏な気配も漂っていきます。タイトルやジャンルホラーな所や冒頭などから聖母の正体は悪魔なのは明白ですが、奇跡を起こすことで人々を熱狂させ信仰心を集めて魂を奪おうとするやり方は中々考えてありますね。悪魔のフード被って鉄仮面つけたビジュアルもいい感じ。動き方もJホラーっぽいですね。思ったよりも暴れないけど。
ヤラセ記事で落ちぶれ、この奇跡の少女の独占記事で再起を狙う主人公の記者を「スーパーナチュラル」のジョン・ウィンチェスターや「ウォーキング・デッド」のニーガンで人気のジェフリー・ディーン・モーガンが枯れたイケオジぶりを発揮して演じてます。最初は功名心から始めながらも疑惑を持ち、正義感かはたまた記者としての使命感からか事態を食い止める為奔走しますが、原因作ったのも主人公で拡散する事にも加担したしマッチポンプな気もしますね。奇跡を起こす少女アリス役のクリケット・ブラウンの美少女ぶりも良かったですね。彼女の叔父で、奇跡を体感しながらも彼女を心配する故にそれに疑惑を持つ神父役でウィリアム・サドラーも出演しています。
派手なシーンはないながらも妙に引き込まれて鑑賞出来ましたね。司祭も真実を知りながら聖地として認定し人々の関心が集まっている故に蓋をしようとする展開も皮肉効いてる気がしました。奇跡の真偽を見極める役目持った神父がエクソシストとして活躍するかと思ったらアッサリ退場したのはちょっと笑った。
ラストはもっと派手な展開になるかと思ったけど、無難にうまくまとめた感じでしたね。原作にどのくらい忠実なんだろ?原作の感想読むともっとスペクタクルな惨劇繰り広げられるみたいだけど。
ラストフィンは再就職する気みたいだけどアレだけの騒ぎ起こして社会的にも抹殺されただろうに余裕あるな。
派手な展開や描写はあまりないですが、手堅く作られてて楽しめました。