監督のかたの方よりは、脚本の大野大輔氏について、そのコメディ・センスに共感させて頂くコトが個人的によくあるのでして、ただ、映画作家としては一方でとにかく、諸々の「敗者」が敗者として敗れ去る様を描くのに氏は相当にこだわって居られるな…という、その意味では今作もその流れには(大いに)沿った方の作品なのかな、とは思いますね。
しかし今作は、そのコメディの方は全く入ってないってヤツでもあるし(+むしろ随所でかなり居たたまれないシーンも多くって)、全体的に何もかもが地味で抑揚・盛上がりも無さげだし、その上でプラス、最終的に言いたいコトってのも実にささやかで普遍的・家庭的な…となると、私もどーしたって「映画として余りにも商業的ではねーよな…」と思わざるには居られない、みたいな感じなのですよね。
それでも、評価としては高めに寄せるか・低めに寄せるかで結構迷ったのですケドね⇒前述どおり、今作が描くモノが「映画に求めるべきモノ」なのかどーかは、多数決的には若干「分が悪そう」みたいな感覚は在れど、ソレは私自身の一票がどっちに入るかには(基本的には)関係の無いコトではあるのです。私は全然好きですよこの話(+演技とか演出とかも全然、まあまあまとまってたとも思うのですよね)。
ただ、それでも、重ね重ねちょっと「強み・アピール・ウリ」が余りにも希薄だな…とどーしたって唸り込んでしまうとゆーのと、ストーリー全体の完成度には(コレも)少しダケ弱さも在った様に思えたコトと(⇒特に端的に、松井玲奈さんのキャラとゆーのがイマイチ魅力的でない+役者さんのパーソナルな印象にも合ってないと感じられたコトですかね)、もう一点、何より決定的なのが、私はまた個人的にエンドロール後に何やらが出てくる映画が総じて好みではないのですよね。なので、一旦この評価にしておきます。まあ、決定的だったとゆーのは(モチロン)冗談なのですケドも。。