サラリーマン岡崎

バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

3.6
ドラマはそこまで思い入れてみていなかったけど、
ディーンフジオカと岩ちゃんのコンビは良いと感じていた。
けど、そのコンビ自体の化学反応が今作で生きていたのかは微妙。

特に岩ちゃん演じる若宮の役が少し微妙。
イケメンハイスペだけれども、少し空回りする役は良いが、
可愛いからという理由で新木優子のこと異様に好きになったり、
ディーンフジオカ演じる獅子雄から風呂覗けと言われて風呂覗きにいくマジでキモい男に成り下がっているのが、面白くも何にもないし、少しドン引く。
少し昔のテレビ局制作の映画の匂いがプンプンする。

獅子雄と若宮のコンビネーションも今回は微妙な気がする。
若宮を観客と同じ視点で、獅子雄や事件のことがわからず翻弄していく役としておいているのはわかるが、
本当に今回は若宮は獅子雄の手下的な立ち位置になっていて彼が全然役に立っていないし、
先ほどの役回りのこともあったり、何も前に進む役割を果たしてないので、
むしろイラついてくる。
そして、獅子雄とのいちゃつきもないため、コンビとしてのケミストリーも全然起きていない。

そして、映画化した割には、別に獅子雄や若宮のパーソナリティと関係ある様な事件ではないし、原作が面白いので、一定面白いけれど、
特に爆発的な盛り上がりやエモーションが上がる展開もない。
せっかく大々的に映画化するなら、もう少し話題性の上がるストーリーをチョイスすれば良かったのに。
そして、この物語はとある富豪の暴力的な権力によって起こる様々な人への悲劇が中心であるとは思うが、
そこも上手く描けていない。
その富豪についてはあんまり深く描かれないし、
様々な登場人物がそれぞれ悲劇を迎えているように見えて、
とっちらかっているようにも見える。
「家族の絆」という方によせたかったのかもしれないけど、
それにしてはそこまで比較して家族の絆を描かれないし、
観客がその家族に対する思い入れも抱くようなことを目的とした演出方法にはなっていない。

つまりは、ドラマを映画化し、ファンにロイヤルティを高めてもらうものである気がするのに、人物描写的にも、題材的にも全くそれを果たしていない!!!
西谷監督のガリレオ映画版「容疑者Xの献身」の方が何百倍もそれを果たしている。