回想シーンでご飯3杯いける

Ribbonの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

Ribbon(2021年製作の映画)
3.7
エマ・ストーンやスカーレット・ヨハンソンの影響か、日本でも特に若い世代の女優が裏方として携わる映画を見かけるようになったけど、出来の方は微妙というケースもあって、、、、。そんな中、裏方のイメージから程遠い(と思っていた)のんが、主演に加えて監督、脚本も手掛けているのが本作。

コロナ禍の2020年。休校により卒業制作展が中止になってしまった美大生の姿を描いているのだが、まず本人がはまり役だし、多くの若者が勉学や交流の場を奪われたと言われるあの時代を、若者らしいフレッシュな感覚で描いた、とてもパワフルな作品に仕上がっている。

俳優としては宮藤官九郎、ミュージシャンとしては後藤正文や大友良英と、周囲の大人達を巻き込む魅力を持つ彼女らしく、本作もブレーンとの共同作業によって作られた事が何となく伝わってくる。映画は1人の監督によって作られるものではない。彼女がこれまでの活動で得た知見から編み出されたのが、本作のスタイルなのだろう。

タイトル通りリボンが何度も登場する、予想以上にアートな作品でもある。プロジェクターによる大画面での鑑賞が予想以上にハマった。