少しひねった恋愛もの。
統合失調症の男が、妄想の女性とその人にそっくりな現実の女に恋する。
先に触れなくてはいけないのが、精神的な疾患を持った人の描写をする危うさだろう。統合失調症について、その一つの恋愛妄想型が主人公であると比較的早い段階で明かされる。映画としてのインパクトとしてはあったが、私自身に統合失調症等に関して専門的な知識がないがゆえでもあるが偏見、誤解を生みかねない描写だと感じる部分があった。映画冒頭等に情報として開示しておいた方がよいと思う。(それによって失われるエンタメ性はあるけれども)
ジャンルとしては恋愛映画ではあるが恋愛あるあるに留まらず、疾患の部分はおいておくとしても、想像上の相手と実在の相手のどちらを好きになるのか、愛するのかという、恋愛、情愛の根源的な問題に挑もうとしている作風は好みであった。
映像的な構図も決まっている箇所が多く、目でみて楽しめる。思い出のトンネルシーンがラストで出ててくる所は、終わり方も含めて少しダサかったのは残念ではあった。
倫理観としてどうなの?という危うい部分は少なくない作品ではあるが、さまざま事情やさまざまな疾患を持っている人が日常にいるのは当たり前のことでもあり「愛」という切り口で表現しようとした試みは価値がある。