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うみべの女の子のKUBOのレビュー・感想・評価

うみべの女の子(2021年製作の映画)
3.8
中学生のセックス、しかも愛のないセックスから始まって、かなりショッキングな始まりだけど、基本的には素直になれない男女のすれ違いのラブストーリー。

先日フランス映画で、先にセックスから始まってなかなか「好き」かどうか自分の気持ちがわからないって映画見て「フランスだな〜」って感心したんだけど、これを日本の中学生がやる?

「上半身はいらない。下半身だけあればいい」
「おまえは穴がついてりゃそれでいい」

こんな台詞を中学生に言わせるからおもしろいんだろうけど、常日頃中学生と接している私には逆にリアリティは感じられない。どう考えても厨二病のオトナが書いた脚本にしか思えない。

「愛のあるセックスなんて幻想」なんて台詞も出てくるんだけど、そんなのはつまらない大人になってから言えばいい。

で、そんな、素直になれない、ひねくれた2人の恋愛ごっこはセフレとも割り切れないから余計にすれ違ってドロドロ。その辺のところは大人でも同じか? いや、同じだからこそ、大人の頭で書いたお話し感が拭えないんだよな〜。

いじめ、自殺など、実はもっと重そうな背景もあるんだけど、映画ではそれほど突っ込んだところまでは描かれない。原作だと違ったのかな?

中学生かはともかく、学生には十分見えてしまう主演の石川瑠華、青木柚は、複雑に心が揺れるふたりを演じて素晴らしかった。

いろいろ書いたけど、高い熱量で最後まで目が離せない、おもしろい魅力のある作品ではある。嫌いじゃない。
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