【一言で言うと】
「重き代償の“溝”」
[あらすじ]
結婚5年目を迎えた、俊夫と佐和子の漫画家夫婦。佐和子が不倫をテーマにした新作を描き出すが、佐和子の担当編集者である千佳と不倫をしていた俊夫は、佐和子の新作に登場する夫婦が自分たちとそっくりであることに気づき、自らの不倫がバレたのではないかと考える...。
面白い。ここまで単純にストーリーに没頭出来る映画だとは思いもよらなかった。
伏線回収系とはまた違ったテイストなんだけど、“一体何を考えてるのだ?”といった終始先の見えない結末にヤキモキする、まさに和製版『ゴーンガール』とも相応しき作品だと感じました。
ていうか...『ゴーンガール』よりも結構リアルなストーリーでメチャクチャ怖かったんですけど(゚o゚;;...
とにかく脚本がお見事と言ってもいいほどで、単純な面白さの中に“不穏さ”を孕んだ演出は、まさしく面白い漫画を読んでいるかのような感覚。
次へ次へとページをめくる度に見えてくる“事実”、そして読み終わった後の“衝撃”、それらが一度に押し寄せてくる快感がこの映画にはありましたね🤔
それに漫画×現実といったオーバーラップの描き方も秀逸ですし、妻の佐和子が描いた原稿を夫の俊夫が見て、佐和子の心情、それに行動を、あたかも俊夫と一緒に“読者”になったかのような感覚を味わえてとても面白かったです。
にしても佐和子扮する黒木華の演技がメチャクチャ上手いことよ😌...
彼女から醸し出される雰囲気然り、終始腹の底が見えない演技にただただ恐怖でしかなかった😰
対して俊夫扮する柄本佑のダメ男っぷりは不穏な雰囲気の中にあるコミカルさを充分溶け込ませていましたね😙
その他にも奈緒、金子大地などの新進気鋭のキャストも観ていて良かったですし、なんと言っても風吹ジュンが今作でかなり重要なアクターだったかもしれませんね🧐...
とにかく漫画と共に描き出される妻の“覚悟”、そして夫の“代償”、浮気男に成敗といった勧善懲悪に爽快感もあるが、それ以上に塗り固めた“嘘”はいつしか重い“罰”へと成り代わるといった恐怖も味わう映画でした。
最初こそは凡庸に進んでいたものの、佐和子の原稿を俊夫が盗み見たシーンから徐々に面白さが爆上がりして、ラストで一気にズドーン!!と落とされるあの恐怖。
これは佐和子の視点で見るか、それとも俊夫の視点で見るかで今作の印象も変わってくるのではないでしょうか🤔...
どちらかと言うと夫婦やカップルで観るよりも一人で観ることをオススメしたいのですが、佐和子のような立場にある奥さんならばカマをかけるのに一緒に観るってのも良いかもね😏...
“「なんでこれを一緒に見ようって言ったか知ってる?つまり…そういうことよ」”っていう風に。
妻って、夫が考えてる以上に勘が鋭いものなんですよ😔...
やっぱり男って、単純だな〜ってつくづく思います😩