春陽

エンドロールのつづきの春陽のネタバレレビュー・内容・結末

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

インドの地方に住む貧困層?中流層?の少年が初めて映画を見て、その世界にどっぷりハマってしまい色々やらかす話。インドの生活水準の差が広すぎて彼がどういう環境なのかがわからない。裕福層ではないのは確か。だが、父親は身分階級のカースト制では特権階級のバラモン出らしい。この制度は落ちぶれるの?後、時代がわからない。昔の話かと思ったら、フィルム映画がデジタルにいきなり交換されるので、近代の話だったのか!?となった。監督インタビューを読んだら、ストーリーは監督の少年時代(1980年代)が元ネタらしいが、今作の時代設定はフィルムからデジタルに移行した2010年にしたらしい。監督自身、初めてインド映画以外の作品を観た時に歌もダンスもないのに作品が成り立っていたのが衝撃だったと語っており、自分は寧ろダンスと歌にあれだけ時間を割くインド映画が衝撃だったので文化は本当に面白いものだと思った。主役のサマイ役のバヴィン君はこの撮影まで実際に映画館で映画を見たことがないという、リアルにサマイだったのか…。

彼が村から学校のある街の古い映画館に通い映写技師と仲良くなり、料理上手な母親のお弁当と交換に映写室で映画を見せてもらっていた。そして将来は映画を作る人になりたいというが、それには英語ができないとなれないといわれる。今は階級より英語が重要で、技術的なテキストは大体英語で書かれている。日本は先人たちのお陰で日本語に翻訳されたものが多数あるが、国によっては全然自国語に翻訳されていないことが多いらしい。だから必死に英語を覚えるとの事。自分が恵まれた環境ということがここでもわかる。

家族愛と母親の料理が美味しそうな映画だった。
春陽

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