やはり音楽をテーマにした映画にハズレは少なく、上質な作品が多いなと改めて感じましたし、難しいテーマを扱いながらもリアルで考えさせられるヒューマンドラマに仕上がっており、質の高い映画だなと感じました。
また、パレスチナ問題だけでなく、ナチスとユダヤの問題も扱っていて、民族間の対立に深く向き合う描写が丁寧でしたし、音楽は国境を越えると言いますが、それでも簡単に解決出来ない問題がある事をしっかり表現しており、非常に見応えがありました。
最後は和解してコンサートを成功させ、ハッピーエンドになるんだろうなと思っていた自分が恥ずかしくなる位、想定外でリアルな結末がこの問題の難しさをよく表しおり、現実はそんなに甘くないことを感じさせる着地のさせ方に圧倒させられました。
悲しく重い物語ではありますが、絶望だけでなく、僅かな希望を感じさせるラストは救いがありますし、諦めないで一歩を踏み出せば難しい問題でも解決出来る可能性がある事を示唆するようなものだったのでより考えさせられましたし、ズシンと響きました。