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夜の伝説 マダム・クロードのakrutmのレビュー・感想・評価

1.5
久しぶりに、俺の時間を返せ、と言いたくなるような退屈な粗悪品を見てしまった。「娼婦」という言葉から連想されるステレオタイプ的なイメージ(はすっぱな雰囲気、性的に奔放、ドラッグをやる、感情に任せた抑制なき言動など)のままの陳腐な脚本・映像が、シルヴィ・ヴェレイド監督の想像力の欠如を如実に表していて、痛々しい。

まずは、演出のせいもあるだろうが、マダム・クロード役としてカロル・ロシェがとっても不適切。こんな、そこら辺の道端に転がっているような年増の娼婦じゃあ、各国要人や高級セレブ御用達の娼婦組織を仕切るマダム・クロードは務まらないんだよ。シルヴィ・ヴェレイド監督の今までの作品を見ていてもわかるように、この監督にはそういう感覚はわからないんだろうなあ。また、いきなり彼女のパートナー格になる(そんなどこの馬の骨とのわからない娼婦にいきなり信頼を寄せるわけないじゃん)若い娼婦を演じたギャランス・マリリエもイマイチ。実際に20歳過ぎなんだけど、妙に歳を取っているような肌にはがっかりした。

とにかく、ジュスト・ジャカン監督の1977年の映画『マダム・クロード』と見比べてみれば、本作品がどれだけクズなのかが実感できる。同時に、いくらアカデミー賞の受賞作・ノミネート作を送り出していると言っても、Netflixの作品はやっぱりレベルが低いことをあらためて実感した次第である。
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