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天使と悪魔のおんのレビュー・感想・評価

天使と悪魔(2009年製作の映画)
3.8
宗教と科学

ローマ教皇が死去し、後継を投票で決めるコンクラーベが始まった。
次期教皇として有力と見られていた四人の候補が、拉致される事件が発生し犯行現場には暗号が残されていた。
時を同じくして、スイスの研究施設ではエネルギー源としてはとてつもない可能性を持つが一方、悪用すると兵器にもなりうる反物質が盗まれる事件が発生した。

ロバート・ラングドンシリーズ。
映画ではダヴィンチコードが先に公開されたが、原作的にはこちらの天使と悪魔が一作目。

本作で描かれる表向きのサスペンス、ミステリードラマとして見るだけでも満足いくくらいの本作の出来ですが、少し学術的に踏み込んだ観点から見るとより面白い。

ここで描かれているのは、古くはガリレオの時代から続いてる宗教と科学の対立関係。
神は超自然的なものであり、世界を創造したのは神とする宗教。
一方、科学では理論立てて宇宙・世界の始まりに対して説明されている。
これらは歴史的に相容れず、ガリレオが唱えた地動説に対して、宗教裁判にて有罪判決が出たことはあまりに有名。

本作で教皇を殺害する側として登場するイルミナティは、協会から弾圧された科学側が秘密裏に組織したモチーフとして描かれており、中世の宗教vs科学の図式が明確に描かれている。

ちなみにですが、ローマの観光名所がほぼほぼ描かれているのでもし旅行する機会があれば観光地予習にもいいかもしれません。
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