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コーダ あいのうたのsonozyのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
5.0
漁業を営むろう者の家族(両親と兄)と暮らすCODA(=Child of Deaf Adults / ろう者の親を持つ聴者)の女子高生ルビーの卒業後の進路の葛藤物語。
2014年の仏映画「エール!(The Bélier Family)」のリメイク。

高校3年生のルビーは、今日も好きな歌を大声で歌いながら、父フランクと兄レオの乗る漁船で漁を手伝っている。
彼女は家族の通訳として欠かせない存在であり、高校卒業後は当然のように漁業を手伝う覚悟でいる。

学校では魚臭いなどとイジられているルビーの唯一の友はSEX大好きなガーティ。ルビーの兄レオを狙ってる。
父フランクは昔モデルやってた母ジャッキーと今もラブラブで、ある症状で医師からSEXは2週間禁止と言われ、そんなの無理〜と夫婦で(笑)。通訳してるルビーを呆れさせてるほど。

学校の部活を決める時、隣にいた気になる男子マイルズが合唱部というのを聞き、即座に合唱部に入部。
メキシコ出身のベルナルド(愛称ヴィ)先生から、その歌唱力を認められ、マイルズ同様、バークリー音楽大学を受験すべきだと、個人指導まで買って出てくれる。

マイルズとのデュエット課題曲(You're All I Need To Get By)も与えられ、二人は接近。音大受験の意志が高まるルビーだが、家業の漁業は中間業者に買い叩かれ家計は苦しくなるばかりで、我慢の限界の父と兄が立ち上がる。

ルビーが歌が好きなことも、どれだけ上手いのかも分からない両親は、家業の大切な時期に音大受験はタイミングが悪すぎると否定的。
歌・音楽への夢と、家族を支える義務、2つの選択肢に葛藤するルビーは・・

実際のろう者の両親と兄役の俳優さん、監督と共に何ヶ月もかけて歌とASL(手話)を特訓したというルビー役のエミリア・ジョーンズ。とにかくこの家族が最高なんです。
それとヴィ先生役のメキシカンなパッションも。

ルビーが歌うジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now(青春の光と影)」の2つのシーンに涙。

ルビーのラストのASL(手話)は”I Really Love You”
いい映画を見たなぁとしみじみ。

サンダンス映画祭: USドラマ部門 グランプリ、監督賞、観客賞、アンサンブルキャスト賞

Apple TV+(日本語字幕が選べるのに何故か日本では未公開のためUSアカウントで)
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