MasaichiYaguchi

コーダ あいのうたのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.0
2014年製作のフランス映画「エール!」のリメイク版である本作は、酪農農家から漁業を営む一家に設定変更されていたり、父親が挑む村長選が別のものになっているものの、大筋はオリジナルを踏襲して物語は進行する。
海辺の町で優しく明るい両親と兄と暮らす高校生のルビーは、家族の中で唯一耳が聞こえる健聴者。
幼い頃から家族の耳となったルビーは家業の漁業も毎日欠かさず手伝っている。
新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気づいた顧問の先生は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、 ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対する。
ルビーは自分がいないと、家族が日々やっていくことが出来ないことを自覚し、自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意してしまう。
タイトルの “CODA”(コーダ)は、“Children of Deaf Adults”(⽿の聴こえない両親に育てられた⼦ども)を意味するが、このことが良い意味でも、悪い意味でもルビーと両親を離れ難い関係にしている。
自分の夢と家業との板挟みになっているルビーに理解を示して寄り添うのが、顧問の先生と彼女のデュオパートナーのマイルズ、そして兄のレオ。
果たしてルビーは、抱える家族や様々な問題にどう向き合い、そしてどう行動していくのか?
このルビーを演じたエミリア・ジョーンズは美しく澄み切った歌声を持ち、手話も流暢に使いこなし、更には漁師仕事も出来てしまうという素晴らしい才能の若手女優だと思う。
そしてシアン・ヘダー監督は、ルビーの両親と兄役に実際に聴覚に障がいのある俳優を起用していて、自然な家族間の遣り取りを表現している。
終盤の山場以降の怒涛の展開は、結末が分かっていても胸熱になります。