空海花

コーダ あいのうたの空海花のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
3.9
サンダンス映画祭4冠に輝き、映画祭史上最高額の約26億円で落札されたヒューマンドラマ。
仏映画「エール!」のハリウッドリメイク版。
家族の中で唯一耳が聞こえるルビーは歌の才能に恵まれ、音大進学を夢見るが、その才能を信じられない両親に反対される。
監督・脚本シアン・ヘダー。

CODAとはchildren of deaf adultsの略称で聴覚障害の親を持つ健聴の子供のこと。
産まれながらに通訳だとか
入学時に喋り方が変だとからかわれたとかいう台詞にハッとする。
劇中でもまだ17歳。
そんな女の子の肩に重すぎる苦労を考える。

豊かな海の町で、家族は漁仕事。
健聴者のルビー(エミリア・ジョーンズ)も一緒に船に乗る。
大声で歌を歌いながら。
オリジナルと異なる漁師という仕事は
より主人公の背負うものに重さを感じる。

父と母と兄
それぞれの想いは少しずつ異なり
それが事細かに描かれていたのが良かった。
聾唖者家族の中での孤独。
兄の苛立った激しい吐露。
母親がルビーが産まれた時に願ったこと。
合唱クラブの発表会で辺りを見渡す父。
一方でルビーの心情の変化は正直今一歩と感じた。
それでも憧れのクラスメイトのマイルズ(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)との爽やかな恋愛模様はあまりに清々しく美しいシーン。

特徴的な先生との出会いも素敵。
先生が何を言っても、家族に訳すのはルビーなのが口惜しい。
そのキャラクターが活きて、ピアノをミスタッチする振りのシーンが感動を深める。
ジョニ・ミッチェル「青春の光と影」♪

皆様と同じく私もあちこちでボロ泣き🥲


2022レビュー#16
2022鑑賞No.32/劇場鑑賞#5
空海花

空海花