品川巻

コーダ あいのうたの品川巻のレビュー・感想・評価

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)
4.7
学生の頃に原作『エール!』を観て泣いたので、「正直オリジナルは超えられないっしょ」と甘く見てたけど、まんまと号泣。
フランス版のシニカルな演出が、嫌味なくハリウッド的になっていて、このリメイクは改良だったと思う。(賞レース対策としても)
それでも私は原作も大好き!!!

【コーダの方が良かった点】
・弟→兄
◯◯アレルギーで下ネタ要因でしか登場せず、家族の中でもパッとしなかった弟。リメイクで兄になったことで、より感情移入しやすい作品に。
アニキとしてのプライドがありながらも、一家の"通訳"としてどうしても妹を頼らないといけない不甲斐なさの表現が上手すぎる...
アニキ登場のお陰で、泣けるシーンが1.5倍増し🐟🐟🐟

・恋愛面
あの湖畔は最上のロケーションとなっていたので、追加されて良かった。二人の関係性も、悪評を広めたマイルズが後悔してルビーを追いかけてくるという、納得のいく始まり方。

その他にも、
・冒頭のラップビートが、喉に触れる伏線になる
・ビンタなどの暴力表現が減っている
・生理のことを校内で広めるシーンがカット
・ルビーの親友の関係がより濃密に
・実際に耳の聞こえない俳優さんが演じている

などなど、前作で腑に落ちなかった箇所を総入れ替えしたんだろうな〜ってくらい、徹底的に改良されていた。
(ラストの歌はどちらも甲乙つけ難い)

コンサートで無音になる(周りの客の表情や涙で、娘の歌が上手いことを知る)、夜空の下で歌いながら父親が喉に触れる、手話付きの歌唱など、原作で印象的だったシーンはそのまま引き継がれていたのも好印象。

ただ借金まみれなのは大丈夫かなという課題は気になるところ...

とにかく映画館で観てほしい!!!

他のユーザーの感想・評価

とってもよかった。主人公がオーディションで家族に語りかけながら歌うところが一番好き。あと主人公顔が整いすぎて好き
ことの

ことのの感想・評価

4.5
とても良かった。まだ2月だけど、今年1番になるんじゃないかってくらい良かったです。
ぜひ映画館で見て欲しいと思います。
ただ鑑賞するだけでなく、体験ができるような映画です。

4人家族、両親と兄が聾唖者で、主人公のルビーだけ健聴者という家族構成です。
家族の中で一人だけ健聴者であるということから、幼い頃から通訳の役割を果たしながら過ごしてきて、健聴者故に家族の中で疎外感を感じることもあって…と難しい境遇の主人公です。

自分がその立場になったことはなくても感情移入をしてしまいます。家族の気持ち、主人公の気持ち、教師の気持ち、とそれぞれの気持ちに感情移入ができるので、途中葛藤が生じて、苦しい気持ちになりました。
しかし、見終わる頃にはとても暖かい感情になります。
とんとん拍子で上手くいかないからこそ、人生の重みが感じられ、より感動が深まります。

映画館で観ていたからすすり泣き程度ですみましたが、自宅で鑑賞していたら号泣だったと思います。
観賞後、自分が健聴者だからこそこの作品を楽しめているのかなと思ったりしました。

とにかくとても良い作品だったのでぜひ観てほしいです。
T

Tの感想・評価

4.2
途中から後ろの人がずっとグスグスしてて、すっかり乗り遅れました。いや、ここはまだ泣くとこじゃないだろ。

こういう映画を素直に素晴らしかったと言える人になりたいですね☆いや、良い映画なんですけどね。
u

uの感想・評価

4.0
朝散歩しながら映画館に向かって、涙をぽろぽろ落として、サントラ聴きながら帰って昼寝した。あったかいというか、これからも大事にしたいと思った作品。
PTKMW

PTKMWの感想・評価

4.0
ジョニミッチェルの青春の光と影聴くと泣いちゃうオシャレなパブロフの犬になりました
おちゃ

おちゃの感想・評価

5.0
うーん、今のこの感情を言葉にするのはもったいなくて、自分の中に残しておきたい。それくらい圧倒される作品だった。
まわりから絶賛される娘の歌声は、どうがんばっても聴こえない。全身でなんとかキャッチしようとするあのシーンは涙が止まらなかった。
同じアメリカでも、エリアによって方言みたいに手話は変わるらしい。今回の舞台のマサチューセッツに合わせて手話の指導もしているとのこと。でも、手話は言葉よりも身体を使うから国境をこえても伝わりやすいと言うのが面白い。DASL(ディレクター・オブ・アーティスティック・サイン・ランゲージ)という職業があることも知らなかった。
knrechords

knrechordsの感想・評価

3.8
親って不思議。
子どもに自分と同じ経験をしてほしくないと願ったり、自分の想像が出来ない世界には行ってほしくないと思ってみたり。

選曲が多少クサいな~と思いながら"Both Sides Now"が二重三重の意味を持ちつつ、ストーリーラインにきちんと嵌るところで愛のようなものに身悶えた。
sugiken

sugikenの感想・評価

4.2
何年か前に見た「エール!」のハリウッドリメイク版。その時も良作だった印象だったので予告編を見た時から期待していた作品。

主演のエミリアジョーンズの歌声が聾唖者にも伝わるような美しさだった。キャストに本当に耳が聴こえない役者を起用しているところからリアリティがとても伝わってくる。
映画館で観るべき作品。
エミリア 20歳の誕生日おめでとう!
あなたの歌声にメロメロな毎日です。
かじ

かじの感想・評価

4.9
聾唖者家族に暮らす唯一の健聴者であるルビー。
v先生が彼女の才能に気づき音大を目指す。
彼女が家族と世間との橋渡しになっているため、大学を目指すことに踏み切れないルビー。

音とコミュニケーションの問題への強烈なフォーカス。家族間で明け透けに下ネタを手話を用いて会話をする様は健聴者家庭よりも仲良くみえる部分もある。
高校生カップルがセックスしているところに親がくるのではなく、親のセックスのさいでデュエットを邪魔されるシーンは、聾唖者の音を気にしないという独特の感性の世間とのズレを表す。

秋のコンサートの場面では、それまで練習してきた曲なので観ている側は何かを歌っているかがわかっている。このシーンで"音を消す"という大胆な製作。時間にして1分ほどであろうか。あの静寂は映画館でしか味わえない贅沢な静寂であった。あの無音を味わうために映画館に行くべきである。無音のシーンによって自分の娘の歌が上手であることを悟った時の父の表情。
序盤の「ラップはいいぞ」はルビーの喉に触れる伏線。

本格的にルビーがレッスンと恋に踏み出していく。それにより家族は窮地に陥ってしまい、ルビーはまたも躊躇ってしまう。
その時に兄レオが「はやく失せろ」と突き放す場面では涙がこぼれてしまった。
母がルビーの生まれた時の気持ちを打ち明けたときも、レオがルビーを突き放すときにも感じた聾唖者と健聴者との壁を感じるとともに、その橋渡しをしてきたルビーにしかわかりえない苦労がある。父と兄は母に比べてルビーが自分に道を進むことを応援するスタンスがみられた。だがルビーに心配をかけてしまっている情け無さをその表情から汲み取ることができ、親の苦労というものも推し量る必要がある。
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