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劇場版 呪術廻戦 0のkaitoのレビュー・感想・評価

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)
3.6
『呪術廻戦0』

今や巷で人気を博している呪術廻戦。その0巻にあたるエピソードが映画館で公開され、話題なこともあり観に行った。原作は見ていない。アニメは京都校が出てくる辺りまでは視聴済み。

作画に関してはシンプルにかっこよかったけど、アニメ版とさほど差がないように感じた。もともとアニメのクオリティが高いのだと推測する。

登場するキャラクターたちはすごく良かった。乙骨憂太という気弱な男の子が主人公で、どことなく碇シンジを連想させるキャラクター。(声優もある)でもかなり主人公としてハマっているキャラクターだし、好感を持てるような描かれ方をしていた。なよなよしている性格ではあるけど、それにはちゃんと論理的な理由があるし、わりと彼の回想シーンは同情させられる。乙骨憂太も呪術に関して何も知らない状態で物語が始まるから、原作やアニメを知らない視聴者でもわりと世界観に馴染めるような構成だったと思う。乙骨憂太はハリー・ポッターとしての役割も果たしており、よかった。

乙骨憂太を通して見る、パンダ・狗巻棘・禪院真希もすごく良かった。それぞれ個性がはっきりしており、彼らの馴れ合いを見ていることにも喜びを感じた。絆ができ始めている繊細な過程を違和感なく感じたし、丁寧だったと思う。五条悟は相変わらずカッコいい。ただ彼は最強すぎて、大丈夫だろうなっていう気持ちが生まれてしまい、緊張感がさほど構築されない点もある。原作を読み進めていないので、まだわからないが。

夏油傑に関してはあまり興味深くはないキャラクターだった。まず大量虐殺という極めて非人道的な行為をしたにもかかわらず、高専を追放されるだけの処分というのはいまいち分からない。死刑に値するものだと感じられる。また彼の目指す目的というのもわりとありきたりな気がするから、ヴィランにあまり興味がわかない。今後の展開に注目はしていきたい。

全体的に俯瞰すると、かなり楽しめた105分だった。世界観は日本らしくて素敵だし、世界的にもヒットしている理由はしっかり分かる。今後の展開を追っていきたいっすね。
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