ノラネコの呑んで観るシネマ

隔たる世界の2人のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)
4.7
Netflix。
本年度アカデミー短編映画賞。
昨年5月に起こり、世界を巻き込む大きなムーブメントのきっかけとなった、ジョージ・フロイドさん死亡事件にインスパイアされた作品。
毎朝必ず白人の暴力警官に殺される、エンドレスな時間ループに陥ってしまった黒人青年が主人公。
青年はあの手この手で、“殺されない方法”を試すも、結果は常に同じ。
コメディタッチだが、この時間ループは何度も何度も同じような事件が繰り返される、現実のメタファー。
途中でハリウッド的な予定調和に行くかと見せかけて、断固拒否。
なぜなら、現実でこの問題は全然解決してないから。
タイムループのアイディアや物語の結論も含めて、スパイク・リーがプロデュースした「シー・ユー・イエスタデイ」に通じるところが多いが、こちらの方が構造がシンプルな分、暴力警官が後をたたない問題の根底にあるものが、ハッキリ伝わってくる。