「ループ物」は「転生物」と並んで日本では人気。
なので世にも奇妙な物語で同様の話しを松崎しげるや有村架純で見た気もするけど、やはり今の世の中のこの世界を覆うパンデミックの閉塞感と同じ様に人の心を、ていうか人が生きるという尊厳や権利その物を踏みにじる様な「差別」「無理解」「ヘイト」「暴力」それら全てを含むメッセージを短編映画ソレもSFにもして強いメッセージ性を含ませ更にエンターテインメントにしたって事で見事アカデミー賞間で行ったのだと思う。
アンドリュー・ハワード演じる白人警官の恐ろしさ。
有無を言わさず「殺す!」って完璧な殺人マシーンみたいに襲いかかって来るのは歴代のどんなターミネーターよりも怖い。
最後の百回目でついに主人公は「対話」という手段でこのループ世界から逃れるのに成功·····したかに見せてやっぱり有り得ない方向からの同じ結末となる。
でもこれってアメリカ(その他の国でも)で黒人が現実に遭遇している事象だと思うと更に恐怖が増す。
それから#BLMとかハッシュタグつけてインスタに安易に画像上げてる日本人とかもマヌケに見える。
白人の差別に対して全ての有色人種が共闘出来るか?って言ったら出来ないだろうし、現にこの新型コロナウィルスって人類共通の世界的危機に対して人類は少しも結束出来てないし。
黒人差別と暴力と殺人の次はアジア人に対する暴力・差別で其れに対してアメリカの黒人達は基本無関心なのでやっぱりなって気持ちが
強い。
アメリカにおける黒人社会と白人からの差別、それが齎す理不尽な暴力や恐怖をブラックユーモアやSFも加味して描き高い注目を集める新鋭作家ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤーの短編集『フライデー・ブラック』にも「ループ物」があり其れは核爆発の閃光に包まれた世界が何故かループを初めて、少年少女達が何度も死を繰り返し、記憶や能力がどんどん蓄積される事によって超人化していき、ラノベの異能バトルみたいな世界になってしまう話し。
『ラヴクラフト・カントリー』でも差別と暴力を其れに対して声を上げるのと同時にエンターテインメントとして見せていたのでBLMをテーマにしたエンターテインメントを前面に出した作品、ナナ・クワメが描く様な世界のSF映画とかも見てみたいです。