リミナ

ゆるキャン△のリミナのレビュー・感想・評価

ゆるキャン△(2022年製作の映画)
3.5
時が経つことで寂れるもの、廃れるもの。それらを拾い上げ再生していく物語。

TVシリーズで描かれた高校を卒業し、社会人となった登場人物。やや疎遠気味になりかけていた仲を繋ぎ止めたのはやはりキャンプ。
大人になったことで金銭的な余裕が出る代わりに、時間の制約等といった不自由さが出てくるもの。
しかしその時間の中で新たに築いてきた知識や経験、人間関係が助けとなり実現困難な目標を叶えていく。
キャンプ場のコンセプトである"再生"と嚙み合うように元々その場にあったものを活かし、一見バラバラなように見えた各キャラの特徴や職業、置かれた環境が最終的に集約されていく展開が良かった。

本シリーズお馴染みである松ぼっくりの\コンニチワ/。序盤でリンが拾った際には声が発せられずこれが大人になることか...と思いきや、キャンプ場の計画が進んでいきキャンプへの意識が高まることで発せられるようになったので一安心。

原作にはないオリジナル要素で登場人物を社会人にした意味合いのある脚本は良かったが、映像は劇場版としては弱い印象を受けてしまった。それがTVシリーズから変わらぬ"ゆるさ"の表れとも受け取れるが。
良かった点は、対比的にキャンプ場の完成前後を同じ構図で見せたり、計画頓挫の危機での悪天候や水たまりに落ちた桜の花びらの演出など。

最後に、ちくわ長生きしてくれ...。
リミナ

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