まーしー

底知れぬ愛の闇のまーしーのレビュー・感想・評価

底知れぬ愛の闇(2022年製作の映画)
3.0
浮気公認の夫婦のお話。妻が浮気をする度に、その相手が失踪するという官能サスペンス。
自由奔放な妻を温かく見守る夫ヴィック役にベン・アフレック、夫の前で浮気めいた行動を取る妻メリンダ役にアナ・デ・アルマスという、豪華な顔ぶれ。

ただ、色々と不明なところが残る内容。
なぜ夫ヴィックは妻の浮気を許すのか、また、なぜ妻メリンダも堂々と浮気をするのか、など、前提となる設定が腑に落ちない。
「オープン・マリッジ」と呼ばれる、婚外交渉を認めた夫婦の形と理解するしかないだろう。

では、なぜ妻メリンダの浮気相手は姿を消していくのか。その解は本作の終盤から推測できる。
妻の浮気に嫉妬する夫、その夫を見て愛を感じる妻——言葉や性交渉ではなく、異質な形でお互いの愛を確認することをテーマとした作品なのだろう。
妻メリンダが浮気をやめないのも、浮気という行動でもって夫の愛を確認したかったのかも知れない。

他の方たちも触れているように、妻メリンダを演じたアナ・デ・アルマスの色気がすごい。
常に露出度の高い服を着ているほか、バストトップが露わになるのも厭わず、着替えシーンやベッドシーンにも挑んでいる。
さすが官能サスペンスの巨匠エイドリアン・ライン監督の作品というだけのことはある。

しかし、本作の見どころはこのアナ・デ・アルマスの存在感だけかも知れない。
サスペンスとしては盛り上がりに欠けるし、ストーリーもいまいちスッキリしない。
キャストが豪華なだけに、やや残念な印象は拭えず、何とも惜しい作品。