がらがら

シン・仮面ライダーのがらがらのレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
2.5
まさに金の掛かった同人映画、悪い意味で。

『シン・ゴジラ』はかなり楽しめたけど『シン・ウルトラマン』は微妙で、今回もそんなに期待しない方がいいとは思っていたのに、やっぱりどこか期待してた。まさかここまでイマイチな作品を出してくるとは予想外。

安っぽい映像・美術に、クソみたいなアクション、棒読み演技、寒い台詞回し、本気でこれが面白いと思って作ったの?

初代仮面ライダーの世代じゃない自分が微妙だと思うところは、初代のオマージュやリスペクトした演出・アクションだろうことはなんとなく察するけれど、そうだとしても全てがチープ。

おそらくオリジナルでは予算や技術の制約でそうせざるを得なかった演出や工夫を無駄に神格化して再現しようとしてるのがダメなんだと思う。

当時は作品のレベルを上げるためだったはずの工夫が、現代でそれをやると作品のレベルを下げるための工夫になっちゃっていて、同じことをやっていても効果は真逆。当時を懐かしむ人達は盛り上がるのかもしれないけど、初代を知らない人からすると陳腐としか思えない。

あと『シン・ウルトラマン』と同じように今作も総集編のような構成なのも嫌。次々と登場する敵を淡々と倒していくだけの単調な構成で全く盛り上がらない。敵を倒す以外のシーンが少なく、映画内で時間がほとんど進んでいるように感じられないのに、登場人物たちの心境は数十話も進んだかのように変化していて違和感しかない。「ヒロインが心開くタイミングってこの辺だよね」くらいの感覚でセリフ考えてそう。

良かった点としては雑魚敵を倒す時に大量に血が出る演出だったけど、それもカメラワークがゴミすぎて台無し。とにかく暗い見辛い安っぽいアクションシーン全てが終わってる。

やっぱり実写庵野作品の女性キャラはアニメキャラ感が強すぎて実写だと本当にキツい。キャラクターごとにキメ台詞を言わせるの見てて本当に恥ずかしいからやめて欲しい。

キャラクターとしては全く好きじゃないけど、浜辺美波のビジュアルだけは最高だった。

監督が想定するターゲットとは違うと言われればそれまでだけど、このノリで作品を作り続けるならどんどん客は減っていくと思う。
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