アル華

シン・仮面ライダーのアル華のレビュー・感想・評価

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
3.7
【シン・解釈痛快SF怪奇アクションライダー】
1971年放送開始の特撮テレビドラマ「仮面ライダー」を、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ゴジラ」の庵野秀明が監督・脚本を手がけて新たに映画化。
引用:「映画.com」https://eiga.com/movie/94843/

◆結論
特撮・愛を取り戻してくれ...
と言わんばかりに、導入部以外に拳を交えた血肉沸き踊る肉弾戦は見られず、CG便りな戦闘が目立つ...
ただ肝心のお話(脚本)は、昭和作品ならではの粗い設定を新解釈し、拡張した"シンユニバース"作品群の中でも、特に面白く惹きつけられました!!
ライダーマスクもカッコいいし、敵側ショッカー幹部もいい感じ!

という感じに、石ノ森章太郎が描いた『仮面ライダー』を踏襲した庵野節に満足!ただ...それを実現した映像面の不満がIMAXだとより感じました。。

◆音楽
昭和特撮のみが持つ古き良き!アガる!菊池俊輔の音楽を引継いだ
岩崎琢の鷺巣詩郎風味も感じる音楽に満足!!
『シン・ウルトラマン』といい、耳に残る戦闘シーン、危機襲来時の音楽は昭和特撮の醍醐味だなと改めて感じました!!
サントラ出たら鬼リピ間違いなし...

◆結び
個人的にですが本作は、『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』とは異なり、"地に足の着いたヒーローを新解釈!"というワクワクを予告初出し時から感じていましたが、その期待には十分応えてくれた最期でした!
本作をもって、一旦は"シンユニバース"一通りの完結だと思いますが、やはり当時に思い入れのある人は勿論、世代関係なく一昔前世間を魅了したヒーローを再び知れるワクワク!!
色々思うところありながらも、とても楽しめた作品達でした!!
終わり良ければすべて良し!!!

PS:一文字隼人がとにかくカッコいい...たまらん...


オープニング再現予告:
https://youtu.be/xdxFwUqKc-A

他のユーザーの感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

IMAX鑑賞。
前評判から、期待半分不安半分くらいの気持ちで鑑賞に挑みましたが……、自分にはとても刺さる内容でした。『シン』のシリーズの中でも一番好きな作品です。
『シン・ウルトラマン』は、超常的な存在がいかにして人類に寄り添い、人類のヒーローとなるかを再解釈したような作品でしたが、本作では一人の人間が人を超越した力を持った人ならざる者となり、その力に苦悩しながらも人々を助ける悲しみを背負ったヒーローを再解釈。まさに仮面ライダーが描いてきた根幹にある、孤高のヒーロー像でした。

本作の本郷猛は、優秀ではあるものの、コミュニケーションが苦手な不器用な男。特別に正義感が強いわけではないですが、"優しい"という一点は一貫しており、だからこそ敵であっても暴力を奮うことに最初は戸惑いを覚え、戦いを躊躇う。大人向けヒーローというと暴力シーンやグロさを盛り込む作品が多く、本作でも初っ端から戦闘員を殴ると返り血を浴びるライダーという描写がありますが、これがただグロいシーンを入れたいというわけではなく、ヒーローと言えど敵を殴ることは"暴力"であることを強調するシーンになっていたことはよかったです。
そして、ヒロインのルリ子。原点通り本郷を改造した緑川の娘ではありますが、その正体はSHOCKERの実験で作られた生体電算機で、そのSHOCKERを裏切って活動する戦う女性。初めは強くてクール、決め台詞通り抜け目ない機械のような女でしたが、物語中盤のハチオーグ編の辺りから、かつての友を失うことに傷つき、本郷に弱さを見せる人間らしさを見せます。自分はここ辺りから本郷とルリ子の関係性にとても心を打たれました。本郷の優しさから、だんだんと彼女を守りたい、力を貸したいと戦いにも意味を見出していき、そんな本郷をルリ子は信頼するようになっていく。パンフではルリ子役の浜辺美波氏が「初めて仮面ライダーをヒーローと認識したのはルリ子」と言っており、きっと孤独に気を張って戦い続けてきたルリ子が唯一甘えられた彼女にとってのヒーローが本郷なのかと。この二人のバディ関係が、実に好みでした。
そして、終盤で登場した、もう一人の仮面ライダーに変身する男、一文字隼人。彼のキャラクター付けも非常に良かった。ジャーナリストで本郷と比べるとどこか飄々とした陽気な男。そんな原点の一文字を現代風にアレンジした(平成以降作品の2号ライダー味もどこか感じました)本作の一文字は、柄本氏の演技もあってか、物語の構成上出番は決して多くなくても最後にはなんだか好きになってしまうインパクトと愛嬌があるキャラクターでした。
ルリ子の死をきっかけに、最後の戦いに挑むWライダー。"仮面ライダー"をSHOCKERに改造された怪人としての名バッタオーグではない存在としての名乗りだったことが、一文字が"仮面ライダー第2号"を名乗ることへのカタルシスになっていたのも熱い構成でした。ショッカーライダーを彷彿させる量産型バッタオーグとの対決で、スピーディなアクションとWライダーキックというかっこいい見せ場を作っておき、最後の敵であるルリ子の兄でチョウオーグ、仮面ライダー第0号との戦いは終始泥臭く、ただ力で倒すだけではないという戦いの終わらせ方も大好きでした。かっこよく敵を倒すヒーローもいいですが、最後まで優しさを忘れない故の、力だけで終わらせない姿が正義のヒーローなのだと思います。
ラストは、戦いで命を落とした本郷から"マスク"を通じて意思を継ぎ、"仮面ライダー"として生きていくことを決意した一文字がサイクロン号で一人走り去っていく。やっぱり仮面ライダーのラストシーンはこうですよね。わかってるなあ庵野氏。
仮面ライダーが原点で描こうとした、悲しみの涙を"仮面(マスク)"で隠すヒーロー。だからこそ、マスクが劇中で重要な役割を果たすのが本当に良い。ルリ子が遺した意思をマスクを通して受け取って、人知れず涙を流す本郷のシーンは、本作のハイライトです。
エンドロールで流れる、原点の仮面ライダーソングも、ただのオマージュではなく、まさに仮面ライダーの生きざまを表した歌詞だったのでぴったりでしたね。

細かいところで好きだったのは、最後に明らかになる滝や立花というどこかで聞いたキャラクター名だったり(また君だったか、斎藤工)、2号が登場するまでは変身ポーズはなく風の力で変身するライダーだったり、最後の最後にマスクがお馴染みの配色になったりという、ファンならにやりとしてしまうシーンの数々。自分もそこまで初代ライダーや石ノ森章太郎作品に詳しいわけではないので、たぶん拾い切れていないパロ要素もあるのでしょうね。
アクションは、CGを使ったダイナミックなライダーキックだったり、スピーディーな戦闘シーンだったりと良かった面もあれば、敢えてらしいですが暗闇で何をやってるかイマイチわからないシーンなどもあり、良くも悪くもといったところでしょうか。
キャラで言うと、ハチオーグがルリ子に対してデカい感情を持ったキャラで、同人作品などで輝きそうなキャラだ…と思いました。

確かに味付けはゴジラやウルトラマンに比べると趣味色が濃く、怪人をはじめとしたキャラ造形もアニメや子供向け特撮っぽい。パロディシーンは元ネタがわからくてもともかく、庵野氏らしい専門用語や謎設定が多くて理解が追いつかないなど、シン作品の中でも一般受けがしなさそうというのもすごくわかる作品です。
しかし、ヒーローオタクの自分としては、理想とするヒーローの描き方を感じ、深いところに突き刺さる作品でした。現状今年No.1映画。
たいが

たいがの感想・評価

4.3
作った人たちが仮面ライダーすごく好きなのが伝わってくる映画だった。個人的には戦闘シーンの見せ方にヲタクを感じてしまってわくわくした!
ストーリーのネタバレなしに感想をいうとストーリー自体はシンプルだけど考えさせられる問がテンポよく出てきて入り込みやすかった。ラスト20分くらいはジェットコースターのような楽しさと切なさが入り交じって、エンドロール流れたときには劇場でひとり号泣してて結構恥ずかしかったです。
那由他

那由他の感想・評価

3.3
庵野秀明監督の仮面ライダー1号の物語。
この監督特有の専門用語飛び交う展開。正直しんどさと回りくどさが先に立つ。
ストーリーは原作の仮面ライダー寄りでかなり暗め。一文字隼人が出てもコミカルな雰囲気は余り足される感じは無かった。しかし藤岡弘の仮面ライダーのオマージュが散りばめられており、そこはかなり良かった。今作で完結でも良いし続編があっても構わないと思う。
さっ

さっの感想・評価

-

このレビューはネタバレを含みます

端からカルト路線だったのは意外とおもしろかった。皆ほわほわの泡になって消えるし作品自体も泡みたいな感じ。非=火薬的な。俳優は良かった。長澤まさみは正直よくわかんなかったけど浜辺美波も西野七瀬もきれいに映ってた気がする。

蝶との決着は噴飯物だしラストも気持ち悪いけど(もっと即物的に終わって欲しかった)、刺されて瀕死の浜辺美波が「そんな奴、知らない…!」って言った時は一番笑った。
平成ライダーはだいたい見たライダーオタとして結構好き!
ライダーがカッコよくてよかった〜
わたこ

わたこの感想・評価

4.0
自分はウルトラマンが好きで、仮面ライダーは正直あんまり通ってこなかった人だけど、それでも楽しめた!好きだ!
主人公が何でライダーになったのかの説明は割とあっさりなのに、ショッカーの説明はえらい長くて笑ってしまった。
少年の心に戻れたな〜。シンシリーズ、これで終わりなの寂しいな。
子供の頃に仮面ライダーはちょっと観ていたけど、あんま詳しくない。庵野さんの作品ということで観てきたが、なかなか面白かった。ただ評価は分かれる作品だなと思う。
※ どうでもいいけど、六本木のTOHOのプレミアムボックスシート(プラス1000円)で観たけど、ボックスシート最高!

テイストは全体的に昭和チックだったり、あえて特撮な感じにしたり、個人的にはレストなところが好きでした。PG12になっていたが、冒頭の血しぶきのシーンの影響でしょうけど、あえてそうすることで大人に観てほしいというメッセージなんでしょうね。

いやぁ、庵野さんよろしくエヴァ感が凄い笑。お父さんに関する心の葛藤を持つ主人公はシンジ君だし、ヒロインの緑川ルリ子は外見は綾波レイで、気丈さはアスカ。世界最高の人工知能の「アイ」は、エヴァの「マギ」だし、「SHOCKER」も要は「人類補完計画」なんだよね。というか、「オーグ」も「使徒」に見えてくる。

ただストーリー展開が唐突だったり、オーグとの戦いがあっさりし過ぎな感もありましたし、そのほか、いろいろ突っ込みどころは満載ですが、あえてなんでしょうね。蜂オーグとかサソリオーグとか単にギャグというかユーモアなんでしょうか?長澤まさみのサソリオーグはほんと笑った。個人的にはもうちょっと観たかった笑。

そして、前半は結構CGなども頑張っていましたが、後半は背景真っ暗だったり、あれも演出なのかもしれませんが、見ながら「あ、予算尽きた?」なんて不謹慎に思ってしまった。

ストーリーの特徴は、仮面ライダーなどのヒーローものにある、善悪の境界線が消失している点だろう。悪の組織も、己の価値観に基づく正義を追求しているのであり、正義である政府側の人間も必ずしも善人には見えない。ここらへんの善と悪の切り分けの難しさは現実世界そのものである。

そして、ラストが秀逸だったと思う。シン・エヴァンゲリオンでは、ラスト、二次元が三次元になるシーンで幕を閉じるが、本作では三次元の存在が別次元に還元されている。この対比も庵野さんらしい。

それにしても主人公の池松壮亮が良い味を出している。もうちょい心情を深掘りしてくれても良かったかも。緑川ルリ子の、浜辺美波もいい感じ。 松坂桃李が出ていると聞いたが、見当たらず。そうしたらケイの声とのこと。そりゃ、わからんわ笑。それどころか、本郷奏多にも気が付かず汗。それにしても、主人公の母親役の市川実日子は存在感が凄い。

実写の庵野さんのシンシリーズだと、シン・ゴジラがやはりベストで(4.2点)、次いで本作(3.8点)で、その次がシン・ウルトラマン(3.6点)かな。ただ本作は結構好き嫌いが分かれると思う。これは作家性の好き好きであって、良し悪しではない。

このレビューはネタバレを含みます

● ミナミちゃんが主人公
● ミナミちゃんのファンになりました
● 監督の女優の好みが良く分かります
● サイクロンがカッコいいです
● 初代のリスペクトがすごい
● ロボット刑事ケイ知ってます♪
● エヴァやウルトラマン映画より好みは分かれます
● ダークな仮面ライダーは一般受けしない
● 西野七瀬は可愛い
● 背景撮影は素晴らしい

評価は高くないですが自分は楽しかったです♪
o98

o98の感想・評価

3.8
旧作へのリスペクトは過去2作と変わらず伝わりました!アクションシーンは絶妙にグロい!あとエンドロールに載ってたキャストいついた!?って感じです。あっという間の2時間でした。
ごはん

ごはんの感想・評価

3.6
仮面ライダーというコンテンツ自体全く触れた事なくても楽しめるのか不安だったけど、結構楽しめた気がする。

これまでのシンシリーズにない血飛沫表現多めで、こんなんもやるんだなぁって新鮮さはあった。

なんとなくだけど全体のやりたい事?敵の目的とかは人類補完計画っぽい感じもあって、シンエヴァ見てるともしかしたら理解はしやすいのかも知れない。
悪く言えばストーリー流れとしてはなんとなく既視感あるような気にもなる。

CG表現に関しては気なる部分も多かったかも。

シンジャパンヒーローズユニバース作品4作目としてはしっかりいろんな臭わせ演出があり、見た後の想像ネタとしてはなかなか楽しめる作品でもある。

シンウルトラマン 同様にいくつかの敵を倒しラスボスって感じではあるので、ひとつの戦いが比較的あっさり気味ではあるかな…ってのは賛否ありそう。


今後このシンシリーズは何か展開があるのか気になるところ…
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パッケージにもいるヴァンパイラ(メイラ・ヌルミ)とトー・ジョンソンの容姿は、インパクト大で好きです🥳