ゴダールにまた挑戦。
若き女性ナナの人生を12のエピソードで淡々と描いていく。各回が短くて、「はなればなれに」と比べるとストーリーが理解しやすくすんなり頭に入ってくる。
台本は1ページにエピソードの概要が書かれているのみ、台詞は全部アドリブ。
可愛いとクールを両方兼ね備えたナナ役のアンナ・カリーナが兎に角魅力的。ショートカットにアイライン強めで、煙草を吹かす姿が様になるのは流石パリジャン。
男と寝て生計を立てるナナには、映画女優になるための繋ぎと割り切っているからか悲壮感は全くない。だからか、こちらもフラットな心持ちで観れる。
哲学者の男性との会話でナナの視野が広がり、真実の愛を掴もうとした矢先に待っていた展開に唖然。出会った男が悪いのか、流され続けたナナにも非はあったのか、色々考えてしまうが余りにも可哀想だ。
一番好きだったのは、ジュークボックスから流れる曲に合わせて楽しげにダンスするシーン。ゴダールのアートセンスが光っていた。