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女と男のいる舗道のyoko45のレビュー・感想・評価

女と男のいる舗道(1962年製作の映画)
4.6
 女優に憧れ夫と別れるも夢を掴めないままレコード屋の店員、出会う友人や知り合う男も良くなくいつしか娼婦となったナナ(A・カリーナ)。
 途切れる悲しい旋律、冷たく無感情なナナの雰囲気、ナナと元夫の会話を背中から撮影してなかなか二人の顔を映し出さないのが冒頭から印象的。足のつま先から頭に向って自分の指で身長を測るなど可愛らしく笑いを誘う場面も所々に。
 さらに言葉・幸せ・愛・真実についてのナナと老人哲学者の語り合いが自然体で、多くの経験を積んで本当の答えに近づいていく普通の人の姿がナナを通して見えてくるようで素晴らしかったです。
 結末は衝撃的、喜劇か悲劇かそれとも皮肉でしょうか。自身の責任で生きているとはいえ、自分が望まない方へ流れがいってしまうこともあるし。「自分の人生を生きる」を考えさせられる作品です。
 ショートボブのA・カリーナ、彼女の表情には、幼さ、あどけなさ、悩み痛み哀しみ、いろんな感じが入り交じった美しさがありました。

(ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち)

(メモ)
裁かるるジャンヌを観るナナの涙
A・カリーナ:出生地はデンマーク、2019年12月逝去
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