ユースケ

呪怨2のユースケのネタバレレビュー・内容・結末

呪怨2(2003年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

呪いが時空を超え、呪われる行為をする人は呪われる行為をする前に呪われるという宿命論にたどり着いた【呪怨】初期四部作の完結編。

幽霊がバンバン出現してバンバン呪い殺すやりすぎ演出や「あのシーンのあれはあれだったんだ」というアハ体験が楽しめる時系列をシャッフルした展開は前作と同じなのですが、のりピーの母親の霊がのりピーを呪いから守ったり、市川由衣が自己犠牲によって呪いの連鎖を断ち切ろうとしたり、のりピーが自分の娘は伽椰子の生まれ変わりだと知りながらも愛情を注いで育てたり、前作まで描かれなかった呪いに抵抗する被害者の姿が描かれ、【リング】を見ているような気分にさせられました。

生まれ変わった伽椰子のその後が気になってしまう良質な完結編なのですが、伽椰子のビジュアルが【呪怨】初期四部作では最凶なのでそれなりの覚悟が必要です。
伽椰子のビジュアルがどうしても苦手という方は、伽椰子と俊雄が映り込んだ映像を居眠りして見逃した上で背後にいる伽椰子を無視してガッカリさせたり、伽椰子がコピー機を操ってコピーが繰り返されていく内にだんだん姿が現れてくる演出をしようとしているのにコピーを途中で停止した上でモニターにクローズアップされた伽椰子の顔面を無視してガッカリさせたり(一度は立ち止まるのに振り返らないところが罪深い)、伽椰子の心を弄ぶ一条薫(葛山信吾)に注目して鑑賞してみて下さい。

伽椰子の髪の毛で縛り首にされた新山千春と堀江慶(ガオイエロー)をブラブラ揺らして遊ぶ俊雄の姿を天井の中央から見つめる伽椰子やのりピーから出てきた血塗れでバキバキ動く生まれたての子馬のような伽椰子など、アーティスティックなキメ画も素晴らしいので、アート好きの方も是非どうぞ。