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呪怨2のsensatismのレビュー・感想・評価

呪怨2(2003年製作の映画)
3.4
2020/127
大   爆    笑
面白過ぎるんだよなあ…。

・首吊った男女の足をぶらぶら遊ばせて壁ドンする俊雄
・地面の上をころころボールのように転がる生首俊雄
・車の座席下、窓ガラスの向こう、出産中の妊婦の股間、どこにでもあらわれる神出鬼没なか細くて青白くて愛くるしい俊雄

という感じで俊雄くんがかなり頻出していました、世界一かわいらしい子供だと思います。
伽椰子さんもあの呪いの家に縛られることなく出張続きでしたね、お疲れさまです。
妊娠シーンにて、股間から這い出てきた伽椰子さんをみて医者や看護師が驚愕の表情を浮かべながらバタバタ痙攣して死んでいくの最高にすきでした。とてもドラマチックでした。

とは言いつつも2人で一緒にみたからこんなに余裕をぶっこいていられたが、もし1人でみたら恐怖で震えていたのだろうな。
恐怖と滑稽のバランスが大事なホラー、今作はかなりせめぎ合っていたが突飛さが目立っていたもののそれをぎりぎりホラーでコーティングできていたので良かったと思う。

随所で声をあげて笑ってしまっていたが、『となりのトトロ』でびゅうびゅう音を立てるおんぼろ家に怖がるメイとサツキにお父さんが「みんな笑ってみな。おっかないのは逃げちゃうから。」と言っていたのを思い出す。
怖いのを誤魔化すために笑っていたのにいつの間にかほんとうに面白く感じてしまう、ホラーをみる上での笑いというものはおかしな状況に突っ込みを入れられる、俯瞰的な視点を与えてくれるものなのかもしれない。
これはポジティブな解釈だが「もう笑うしかない」という恐怖と絶望があるのもわたしは知っている。

タイムラグで恐怖を演出していたのすごくお気に入り。特に首をつっている恋人を目撃する朋香と、後ずさる彼女の背中を背後の玄関で見る何も知らない典孝のあの対比シーンはかなり良かった。
恐怖で凍る朋香の見切れた顔から、徐々に部屋を仕切るカーテンの先にいる典孝の顔にクローズアップするあの感じは撮り方が最高だと思った。タイムラグが生じているという感覚的な違和感は払拭できないのに、そのおかしさを同次元として当たり前のように捉えられるその同時進行性が顕著だった。尚且つ朋香の挙動不審なかんじを局所的にしかうつさない点も大変よかった。

ラストシーン、京子は腹を痛めて産んだ我が子(伽椰子)に歩道橋の階段から突き落とされる。命絶え絶えしいうみ親をじっと見下ろす少女伽椰子。京子はうっすらと唇に笑みを浮かべながら我が子に手を差し伸べるがぱたりと逝ってしまう。その瞬間、今までじっと動かず冷たい視線で見下ろしていた伽椰子の瞳の奥が微かに揺れたと感じたのは気のせいか。踵を返し歩みを止めない伽椰子に、彼女が抱く意思(怨念あるいは呪いそのもの)の強さを実感するとともに、僅かに残る人間性も垣間見た気がした。
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