17歳のトランスジェンダーの高校生ヴァレンティナの青春ドラマ。ブラジルの小さな村に引っ越したヴァレンティナは、旧姓ラウルでなく、通称名で学校に通うため、行方不明になった父を探している。
トランスジェンダーのことを伏せて、生活を送っていたヴァレンティナだが、年越しパーティーで見知らぬ男に襲われる事件が起きる。それをきっかけに、脅迫、暴力、SNSでのいじめなど、様々な問題に直面してしまう。
もちろん、辛いシーンもあるのですが、友人のゲイのジュリオや未婚の母のアマンダや、母親が支えとなり、後押ししています。
トランスジェンダー当事者のYouTuberのティエッサ・ウィンバックがヴァレンティナ役を演技していて、根本的な部分を共有している点も重要です。
ブラジルは同性婚を法律で認めています。一方で、トランスジェンダーの中途退学率は82%、そして平均寿命が35歳と言われています。
制度が変わっても、人の心が変わらなければ、社会は変わらない。根本的な問題を投げかている気がしました。
やや駆け込み足な部分もありますが、ラストに象徴される前向きな青春映画でした。