asami

泣いたり笑ったりのasamiのレビュー・感想・評価

泣いたり笑ったり(2019年製作の映画)
3.7
試写で視聴。
正反対の生き方をしてきた2人が、
家族の戸惑いや反対を乗り越え、
結婚するまでのラブストーリー。
ただし、2人は孫もいる父親たち!



裕福なトニと、漁師のカルロ。
中高年の2人は愛し合い、結婚を考えている。
結婚のことを話そうと、トニが持つ別荘に家族を呼び寄せて双方を対面させるが、
トニの娘ペネロペや、カルロの息子サンドロは驚き、反対する。
一緒に過ごすうちに他の家族たちは打ち解けていくが、ペネロペとサンドロの2人は密かに結婚を邪魔しようと画策する。
そのうちにトニの別れた妻、ジュリエッタもやってきて、最初は2人の結婚を止めようとする。
しかししばらくするとジュリエッタはカルロの誠実な人柄に惚れ込んでしまい、ペネロペに諦めて2人を認めるように言う始末。
ペネロペは1人歯痒い思いで父親たちを見つめる。

セレブと労働者階級、対照的な家族の溝はうまるのか、
トニとカルロは結婚できるのか。
そしてペネロペが父親トニに向ける思いは。



同性婚、階級差、家族の絆などの問題を散りばめながら、笑ったり泣いたりできる作品でした。

カルロの実直で優しい人物像が魅力的で、
印象的なセリフも沢山。
「彼(トニ)といると自由を感じるんだ」
「他の人からじゃない、自信は自分で掴むしかない」
同性婚に拒否反応を示す家族に、
「それはそっちの問題なんだ」

主演の3人も素敵でしたが、
別れた妻、ジュリエッタを演じたのは、
あのアンナ・ガリエラ!
『髪結いの亭主』は忘れられない…
お年を召してもキレイで可愛かった…

試写後のシモーネ・ゴダノ監督のインタビューでは、
「元々政治的な意図を持って制作した映画ではないけれど、この作品が日本で同性婚について理解を深めるきっかけになると良いな」とお話されていました。
(イタリアでは2016年に同性婚を認める法律が制定されたそうです)
私も同性婚に賛成です。
愛する人たちがもっと自由に暮らせる世の中になると良いな。

優しい気持ちになれて、考えるきっかけにもなります。
おすすめです。
asami

asami