ワンコ

シー・イズ・オーシャンのワンコのレビュー・感想・評価

シー・イズ・オーシャン(2019年製作の映画)
4.0
【女性と環境を考える】

「くじらびと」のレビューで僕は鯨肉を食べなくなったと書いたが、実は、フカヒレも食べなくなった。

ヒレだけ剥ぎ取られ、海に生きたまま捨てられ、沈んで息途絶えるサメをテレビで見てから、食べるのを止めたのだ。

別に、不自由はないし、友達も失ってない。
何も問題ない。

フカヒレで生計を立てている人も多くいると思うが、過剰な行為には反動が付き物だと僕は思う。

この作品は、プロサーファーを目指す少女チンタのチャレンジと、ヒストリーをコアに、海と共に生きる女性のチャレンジや、パイオニアたらんとする姿、人生を追ったドキュメンタリーだ。

プロサーファーはもとより、サメの保護活動家、パドラー、シュノーケラー、クリフダイバーから、大波に飲まれ息子を亡くし、悲しみのなか、それでも癌から生還した女性や、海洋サイエンティストなどをカメラは追う。

亡くなったサーファーだった息子を波間に見たと言う彼女の話を聞いて、村上春樹原作で、映画にもなった「ハナレイ・ベイ」を思い出した。

冒頭に書いたサメの場面は、サメの保護活動家のシーンでも出てくるし、最後に紹介される海洋サイエンティストは海洋プラスチックや汚染への警鐘を鳴らしている。

作品としては、過剰な主張は避けているように思うが、多くの人に訴えるメッセージを含んだ佳作だと思う。
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