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三人の女のペインのレビュー・感想・評価

三人の女(1977年製作の映画)
4.3
再見。アリ・アスターやヨルゴス・ランティモス、吉田恵輔作品なんかにも受け継がれるようなある種の底意地の悪さと、ただの悪趣味に陥らない妙な説得力ある人間洞察映画。

平穏に見えていたありふれた日常が、ふとした拍子でメリメリッと裂け目が出来、人や世界の本質的に残酷で無情な顔がこれでもかと露になっていくタイプのハッキリ言って超猛毒映画なのだが、美術や衣装の計算された色彩設計や画面構成のつるべ打ち、巧みな登場人物の視点の反転や物語の転調っぷりにグイグイ引き込まれ、罪悪感ありながらも超面白く観れてしまう1作。

アルトマン監督は『仮面/ペルソナ』からのインスピレーションを公言しているが、本作の方がより俗悪な仕上がりで、主演女優2人が“キャリー”と“シャイニング”なのも相まって、中盤の“ある出来事”以降は完全にホラーにしか見えない(笑)
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