ねぎおSTOPWAR

チャドウィック・ボーズマン: あるひとりの表現者のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

3.8
「マ・レイニー・・」観終わると、ほぼ自動的に出てくるのが2つ。
これが遺作となったチャドウィック・ボーズマンにフォーカスしたドキュメント。

「しまった!わし『42~世界を変えた男』『ジェームス・ブラウン最高の魂を持つ男』を観ていない!!」
激しい後悔。
だから半分想像になっちゃいますが・・
ブラックパンサーと21ブリッジとマ・レイニーを観た限り、まさに現代的な俳優さん、それもダニエル・デイ・ルイスと同じ方向むいちゃってる人なんだと思いました。

演劇論、お芝居の手法で今一般的なのはスタニスラフスキー理論というもの。Filmarksでも何度か書いているので「またかよ」な人もいるかもしれませんが・・。
ロシアのスタニスラフスキーさんが記した演技法で、簡単に言うと、外面から表情やセリフを作るのではなくて、内面からアプローチする手法。いわば本人になり切るので、リハから何テイク繰り返そうがそれは新鮮な反応ということ。
それを勉強してアメリカに持ち込んだのはリー・ストラスバーグたち。その後派閥争いが起きて分裂するも、ストラスバーグが命名したメソッド演技は「アクターズスタジオ」に継承されています。マーロン・ブランド、ジェームス・ディーン、アル・パチーノ、ポール・ニューマン、ダスティン・ホフマンなどなどがこれです。
で、イギリスの役者たちはまた違ったアプローチですね。さすがシェイクスピアの国。

この映像で語られるチャドさんのアプローチはほぼメソッドですね。
「マ・レイニー・・」でもいわゆるアドリブがOKテイクとなっているシーンがあるようで、それを語る監督は「・・それはレヴィそのものだった・・」というような表現をしていました。

とにかく他の方々も指摘していらっしゃいますが、これはセットでご覧になった方がいいと思います。