dita

ひまわりのditaのレビュー・感想・評価

ひまわり(1970年製作の映画)
4.5
@ 塚口サンサン劇場   

10数年前に観た時の感想メモ
「男は弱く流されやすく、女は強くしたたかである」
「さすが巨匠」

何書いとんねん恥ずかしいわ偉そうに…ということで劇場では初。
名優ふたりの表情、画面いっぱいのひまわり、マンシーニの音楽、劇場で観られてほんとうによかった。

駅のホーム、離れなければならない理由など何もなかったのに戦争がふたりを分かつ。
駅のホーム、待ち続けた者たちは張り裂けそうな気持ちに蓋をしてあなたの笑顔を求め、戻りし者は笑顔の下に張り裂けそうな気持ちを隠している。
駅のホーム、再会したふたりと支えた女、誰も悪くないのにみんな悲しい顔をする。
駅のホーム、嘘をついてまで一緒にいたかったふたりの愛はまだそこにあったはずなのに、愛に嘘をつくことを選ぶ。

戦争は命だけでなく「生」そのものを奪うのだと改めて思う。

どれだけ美しく咲いていても、根を張る大地には名もなき命が眠る。
どれだけ幸せに暮らしても、気持ちの奥には哀しみが宿る。
太陽に向かって伸びる花の下、哀しみと閉ざした愛情が眠るその土に彼女が流した涙は届いたのだろうか。
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