【希望】
ちょっと想像(期待)していたのとは違ったかな・・・
かといって、チラシの時点で「心霊現象」や「猟奇事件」を否定していたので、じゃあどうする?っていう事なんだろうけど・・・。
本作は「野良人間」と言いながら、それほど彼ら(実は一人ではない)にスポットが当たるような話ではない。
どちらかと言うと、自身の(捻じ曲がった)信仰心に野良育ちの子供たちを巻き込んでしまう男の末路のような展開。
だから、子供たちの描写に関してもそれほど異質なものを感じない。
そもそもそういう環境で育ったのであれば文明的な習慣がないのは当たり前だし・・・。
ただ、信仰心というものは他人の物差しで測り切れるものではなく、あくまでも個人の内面にあるものだとすれば、自分の信じ方が他者のそれと違った時、「異端」とみなされ、敬遠されていくという真理的なメカニズムが働くことは容易に想像がつく。
そういう状況に陥った時、他者に対して理解を求めるのか、あるいは自分の信じる神の方だけを向いて、ただひたすら邁進(暴走)するのか、どちらかになるのかもしれない。
いや、もしかしたらひとつの行動に対しても、自分と他者の間で評価が違うものになってしまうのかもしれない。
男は、森の中で保護した「野良の子」たちを我が子のように愛し育てた。
彼らを「人間」として育てるために、希望を持って知識や教養を与えようと必死に教育した。
そしてこの試みを後世に残すために、全てを映像に残すこととしたのだった。
しかし、そこに残されていたのは徐々に狂気の世界に堕ちていく男の姿だった・・・。
ちょっとラストに触れちゃうので、やっぱりフィルタ―かけてネタバレコメ欄に残します。