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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)のTaulのレビュー・感想・評価

4.0
『サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)』鑑賞。50年封印されていた音楽フェス「ハーレム・カルチュラル・フェスティバル」のライブドキュメンタリー。正に黒人たちの69年夏の魂の叫び。その圧巻のパフォーマンスも発掘編集した歴史的意義も素晴らしかった。

『サマー・オブ・ソウル』二グロからブラックへと変わりパワーを持つと共に現在へと続く差別と貧困の痛みがフェス全編に響き渡る。構成、編集が実直かつ丁寧で関係者へのインタビューや当時の社会情勢を入れ込む。ただ映像も録音も悪くないのでもっとステージを見たかったくらい。72年のライブ映画『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』に続き貴重だし感動した。

『サマー・オブ・ソウル』特にスライ・アンド・ザ・ファミリー・ストーン、ニーナ・シモンは実際に見るのは初で強烈だった。変革へと向かう19歳のスティーヴィー・ワンダーも登場。他にも熱いパフォーマンスが続く。ビートルズやロック、ニューシネマから60年代~70年代の欧米の音楽やカルチャーを知ったが、実際は白くて表だけだったということが最近よく分かってきた。
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