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親愛なる君へのkazataのレビュー・感想・評価

親愛なる君へ(2020年製作の映画)
4.5
台湾のアカデミー賞こと金馬奨2020の最多5部門受賞作『1秒先の彼女』に続いて、同年の最優秀主演男優&助演女優賞(&作曲賞)に輝いた本作をウォッチ!

死んだ彼氏に代わって病弱な母親と幼い息子の面倒を見ながら長年同居暮らしを続けてきた主人公が、いざ息子との養子縁組が決まって本当の家族になれるって時に母が死んじゃったことで、遺産目当ての殺人の容疑がかけられて逮捕されてしまう……ってとこから始まる物語。

(予告編↓)
https://youtu.be/aCnBDIWmwcA

いや〜、しみじみと感動しました!
同性愛への偏見だけがテーマじゃなくて、介護&終末医療の問題や、血縁関係よりも深い繋がりを持った関係性だってあるよねってことが描かれているので、より普遍的で大きな愛についての映画になっているのが良き。

(台湾同様に日本もさっさと同性婚を認めたらいいのに……それか異性or同性関係なくパートナーシップ制度で結婚と同等の権利を認めたらいいだけの話かと)

(愛の逃避行キャンプの件は……そこは台湾が誇るアン・リー監督作『ブロークバック・マウンテン』オマージュかな?)

(幼い息子との微妙な距離感と言うか曖昧な関係性がナイス!)

(これまた"そして父になる"話と言ってもいいでしょう!!)

そうそう、河瀬直美監督作『朝が来る』のエンドロールが泣ける……って言ってる人にこそ本作を見て欲しい!
"感動でむせび泣いちゃうエンディング曲"に至るまでの演出ってこういうことだから!!
(丁寧なフリがあった上でのオチだからこそ感動できるわけで…)

(本作と同年製作のエモさ重視系BL映画『君の心に刻んだ名前』と同様に、音楽で泣かせる演出が台湾映画は巧いと再確認…)

(個人的には『1秒先の彼女』より本作の方が作品賞&監督賞に相応しい気がしました…)
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