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かそけきサンカヨウのHAL9000のレビュー・感想・評価

かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)
4.0
【幽けき(かそけき)】
今にも消えてしまいそうなほど、薄い、淡い、あるいは仄かな様子を表す語。古語「幽けし」の連体形であり、現代でも雅な表現として用いられることがある。
(実用日本語表現辞典)

サンカヨウは劇中に解説があるので割愛

感想ここから↓
はぁ。沁みる。
こういうちゃんと登場人物がみんなこれまで生きてきて、これからも生きていく感じが出てる作品は好きです。血が通ってる感じ。
今泉力哉監督作品は最近のしか見てないけど好きだなぁ。地に足ついた、背伸びして無い感じ。

登場人物がみんな何か欠けてて、けど、温かくて、迷って、悩んで、抱えて、助け助けられて生きてる感じ。
みんな大好き。

大人チームはしっかり大人だったし、子供チームもそれぞれしっかり子供だったし。
ヒロインの陽ちゃんだけ少し大人になってしまっているけど(タイトルにある通り)

ヒロインちゃんの志田彩良さんは微妙な心理とかうまく表現できてたし、美しかった。
大人っぽい顔立ちしてるけど、キャラクター的に、立場的に大人になってしまった人の役だからいいのかしらね。
志田さん22歳だそうで。

そして、彼氏(?)ちゃん役の鈴鹿央士さん、いい感じに子供っぽさのある男の子役を見事に演じてましたね。
甘く可愛いルックスも良き。
どこかで見た役者さんだなぁって思ったら、蜜蜂と遠雷の天才君やってた人か!

大人チームの女性陣はみんな素晴らしかった。
特にステップマザー役の菊池亜希子さん。

新しく家族になった時からの距離の縮まり方も素敵だったなぁ。

僕は「家族はいいよね」って作品は、あーはいはい幸せなとこは良いねってなりがちだけど、
この作品は、ほんとみんな幸せになってほしいってなった。

彼氏(?)君が友達から「あんたたち付き合ってるんでしょ?」って聞かれて
え? 付き合ってるの?
ってなるシーンが、見せ方とか間とか今泉力哉監督作品らしくて好き。
逆にいうと、序盤はなんか雰囲気違うなぁって思って見てた。

ところで、自分を捨てた母の絵の個展に行くシーン
「宇宙でいちばんあかるい屋根」を連想した。
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