雷電

屋敷女 ノーカット 完全版の雷電のレビュー・感想・評価

屋敷女 ノーカット 完全版(2007年製作の映画)
3.8
4大フレンチホラーの一つである本作「屋敷女」。
なぜタイトルが「屋敷女」であるかは観賞後もわからないままである。
同じく4大フレンチホラーの一角である「マーターズ」を観賞以来、久しぶりのフレンチホラーであったが、やはり期待を裏切らない誰も救われないストーリー展開である。(感情移入はできないが正確には一人だけ救われているのかもしれない)
「マーターズ」が人間を超越した存在になるためにその枠組みの限界を超えさせる痛々しい拷問だとするならば、本作は「赤子」や「母親」といった現実にある事柄を題材とする非常に生々しく、異形となった愛のストーリーであろう。
毎回ホラー映画を観賞するたびに思うことだが、幽霊や悪魔、強いては未知の生物というものよりも、個人的にはやはり人間が一番の畏怖の存在である。

襲ってくる女性の正体がすぐにわかってしまうが、人があまりにも簡単に殺されていく描写を目の前にそんな邪念は不適切。その軽快ささえも楽しむのが本作おすすめの観賞の仕方。
だが、一点だけ、胎内で写る赤ん坊の表現は必要ないのではないかと感じた。
ストーリーにツッコミどころというようなシュールで思わず笑ってしまうポイントが何点か見受けられたがそれも全て含めて良いホラー作品。
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