駄作。つまらないひどい映画だった。
しかも、歴史を歪曲していて、映画のネタとして被爆者を利用したとしか思えない。
唐突な展開に、俳優は真剣な演技をしているに、見ていておかしくて吹き出してしまった。せっかく長崎の原爆を背景にした映画なのに、無惨な出来に残念としか言いようがない。
原爆を巡る様々な論点が、セリフに登場するが、いずれも生半可に終わっている。特に、問題なのが、原爆で破壊された浦上天守堂の残骸を取り壊したのは、アメリカなどの思惑があったという陰謀説を、根拠もないのに映画によって強化してしまっていることだ。カトリック信者の主人公が、「観光のために取り壊す」と非難する。しかし、実際に、当時、カトリック信者が問題にしていたのは、「市議会などの保存の主張は原爆を観光のために利用するものだ。信者は教会を再建して信仰の場所を確保したいだけだ」ということだった。主張が、実際と映画では180度違っている。創作とは言え、踏み越えてはいけない一線を踏み越えている。
このレビューで、事実に基づいた映画と評価されているのが、恐ろしい。