高卒派遣社員

ベネデッタの高卒派遣社員のネタバレレビュー・内容・結末

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

修道女ベネデッタがある日突然キリストの幻を見る。果たしてそれは本当に神からのものか。両手・両足・頭に残された傷跡はあからさまにキリストを連想させる。嫉妬と疑念が渦巻く中、彼女は新入り修道女と恋愛関係になる。同時に修道院内で勃発する権力争いがとんでもない結末を招く。

”キリストに召された女性の顛末”という点ではジャンヌ・ダルクを思い出す。時系列を振り返るとジャンヌ・ダルクが15世紀、ベネデッタが生きた時代は17世紀となる。劇中でもジャンヌ・ダルクに言及される場面がある。だからこそ悲劇的な結末に向けて進んでいくことは容易に想像できる。

日本公開となればR18指定となることが予想されるが、この物語の本質は過激な描写ではない。聖なるものと邪悪なものの境目で翻弄される主人公が、極限まで追い詰められた末に取る決断が凄い。

教会における禁忌を犯したにも関わらず、再び教会で生きることを選ぶ。行く場所がないのか、それともキリストの足跡に従っているのか。観客一人ひとりが考えさせるラストだった。
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