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ベネデッタのボロロボのレビュー・感想・評価

ベネデッタ(2021年製作の映画)
4.0
随分前からClipして楽しみにしていたヴァーホーベン監督作品。なのに、全く近場で上映してくれず配信待ちを覚悟していた。ところが突然の《家庭の諸事情》にて【遅く帰るべし】というミッションが発生し・・・はたと思いついて調べてみたら見事にタイミングが合ったので仕事帰りに鑑賞(ラッキー👍)。
しかも超久方ぶりのミニシアター。コロナ禍も落ち着いてきたのでちょうどいい頃合い。

期待以上に THE ヴァーホーベン節。グロさ控え目だがお見事。コレが事実ベースだっていうんだから、正に「事実は小説よりも奇なり」
冒頭からオナラファイヤー芸🤣 監督が「こういう作品だからな」と宣言してるようなもんだ。
修道院なのにマネーパワー😁 修道院長曰く「慈善事業じゃないのよ」😨
聖痕&聖女を観光資源としてマネタイズ😅
中盤は非常にエロい。エロジジイはご満悦。
あちこちで皮肉たっぷり。
ホラーっぽいところもある。
神のようでいて悪魔のようでもいて。
さらにはミステリーでパワーゲームだ。

コロナ禍前に撮ったのにコロナ禍風な描写。

主人公のベネデッタを演じたヴィルジニー・エフィラはめっちゃ美しかった。同監督の『エル ELLE』にも出てたんだ。

ベネデッタと良い仲になるバルトロメアを演じたダフネ・パタキアもキレイだった。何だか見覚えがあるなあと思っていたら『ファイブ・デビルズ』の火傷したお友達だった(アレッ😁)。

シャーロット・ランプリングにランベール・ウィルソンというビッグネームのお二人。言わずもがな、存在感たっぷり。

あることを契機としてベネデッタの描写が変わる。脚本が巧みで、観客は鑑賞後にベネデッタの正体についてあれこれ考えることができる。通り一遍の作りにはなっていない。ミスリードなのか、そうではないのか。

映像も美しい。特に光の加減。
火の描写。ろうそく。焚火。そして。

印象的な道具たち。
ディルド。ムチ。拷問具。ガラスの破片。

何が現実なのか。
何が奇跡なのか。
何を信じるのか。
何を信じさせるのか。

戒律や禁忌に囚われない自由。
その自由を確保するための策略と権力掌握。

私的に一番罪深いように思えたのはパオロ神父だ。教義は狭義に留まる。あれも皮肉なのだろう。

終盤、ベネデッタはシスター・フェリシタの耳元で何と囁いたのだろうか・・・🤔

パンフは900円也。大きさとページ数という観点だとお値段高い印象だが、知りたい情報が掲載されていて濃い内容だったので満足。ヴァーホーベンの宗教観や映画制作の肝も知ることができた。ただし文字が小さくて老眼にはちとツライ😅
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